優雅に華麗に大胆に!(FGO攻略ブログ)

イシュタル召喚記念にブログ始めました。FGOについて書いていくつもりです。

スマブラについての反省(付録:勝負で勝つ方法についての覚え書き)

 スマブラというゲームを1年くらい真面目にやってて、挫折、のようなものをして、やめた。前回の記事でそのことについては色々書いたので特に新しく書くことはないけど、その記事を書いてから1週間くらいの間での反応や、色々な人の話を聞く中でいくつか感じたものや学んだもの、スマブラをやってきた上での反省点みたいなのが見えてきたのでメモ書き程度にここに書いておこうと思う。

(覚え書きに行きたい人はこちらへ→勝負で勝つ方法についての覚え書き)

  1つは、僕の病的な成果意識の話から。僕はスマブラを楽しめなかった、そのことは事実だった。それは勝負が好きではなかったということやゲーム性への不満ということでもあったが、もっと根本にあったのは、僕の中にある「やるからには実績を残さないと無意味だ」という病的な強迫観念のせいだったように思う。
 一般になにか趣味をやる上での楽しみ方には2種類あるように思う。1つは、なにか実績を目標に成長や成果を楽しむこと、もう1つはそのことをしていること自体が幸せで時間そのものを楽しむこと。普通は両者の複合体であって、あえて分類すれば上記の2つの要素の混ぜ合わせと見ることも出来るという感じであろう。
 そして僕には圧倒的に前者しかなかった。勝つことしか、勝つという実績を積み重ねることしか、強くなったという事実を実感することしか、本当に全く楽しめていなかったのだ。ゲームをしている時間を、ゲームの試合内容をそういったものを全然楽しめていなかったのだ。仲のいい知り合いや友人の方と通話しながらのスマブラはたしかに非常に魅力的で楽しかったのだが、それだって多分、通話しながらやる内容がスマブラである必要が僕には多分なかった。テトリスでもマリオカートでもゴッドフィールドでも、あるいはただ話しているだけだったとしても、僕は楽しめていたのではないかと思う。そういう意味で僕はスマブラというゲームの面白さを本当に勝つことにしか見いだせていなかった。ただ単に、本当に強くなってチヤホヤされたいというモチベーション「しか」なかったのだ。本当は楽しさというのはもっと複合的なものだろう。強くなるのも楽しいし、それ以上に勝負をしている時間が、相手の動きが、スマブラというゲームそのものが、楽しいはずである。だからこそ、プロになれないと知っていても、どうやっても勝てない相手がいるとわかっていても、ただやっていることが楽しいから続くのである。楽しい時間というかけがえのない経験が何よりもまず得られるのである。僕はその部分が完全にお留守だった。病的なまでに結果のことしか、成長しないとという強迫観念があり続け、そして、ゲームの過程を分析してただ機械的に勝つ方法にばかり注力してしまった。これは大きな失敗、前提としての誤りだったと思う。
 そういうわけでこの反省から言いたいことは「自分は本当に過程を楽しめているのか」という問いかけの重要さである。はっきり言ってどんなことでも、まず最初に楽しめていないのならマジで向いていないと思う。結局の所、趣味は多くの場合娯楽でしか無い。何かの成果を求めるという方向性はそれが達成できなかっただけで破綻してしまうし、そうでなくても成果が出てない段階でのモチベーションがあまりにも厳しくなる。終わったときに「楽しかった」という最も大事な記憶さえ残ろないとしたらそれは悲惨なことだろう。加えて何よりも、過程が楽しめていることが上達に最も必要な条件であると思う。勝負で言えば、勝つための創意工夫と駆け引き、相手と共有する勝負の時間、知識や練習の実践とその反響、そういったものを、創作であれば作品を良くするための工夫や着想、アイディアの興奮と自己陶酔を、追求であれば何かを知る勉強するという過程そのものを、意識して、あるいは無意識でも、楽しんでいるからこそ、それらを改善して次に繋がるのである。そしてそういう人が強く、上手く、賢くなるのである。もともと楽しんでいる人が勝ちへのこだわりを獲得して方向性を転換することは成長に必要なプロセスかもしれないが、楽しめてない人が勝ちへのこだわりを獲得してもさらに沼にハマるだけだろう。
 だからこそ、まずは結果ではなく過程自体も楽しめているかを確認することは非常に重要だと思う。(個人的にはこれは殊に勝負の世界では大事だと思った。「勝負の世界」では結果も、他に比べると時代や参加者といったものの依存したやや相対的なものになるからだ。)
 ただ普通は、過程が楽しめていないことをそんなに真面目にやろうなどとは思わないのではないかと思う。だから多くの場合そんなに心配することはないだろう。ただ何かの偶然でそういう沼にはまっていることがあるかもしれないので、一旦問いかけてみることは大事に思う。これが最もわかりやすい、「チヤホヤされたいだけか、向いてるかどうか」の試金石になると言える*1。漫画家になりたい、声優になりたい、というようなときに、それは本当の欲求なのか、そういう事を考えないといけないのである。
 というわけで"just for fan"、「楽しいから、やる」そういうことを忘れないようにすべしという話だった。これは適正診断として非常に強力だと思うので大事にして欲しいと思う。まとめておくと、結果だけ楽しめるのは誰でもそうであって、過程まで楽しめるからモチベになるし先に進める。結果だけ欲しいというのはその結果で自己陶酔したいといった弱い理想である可能性も高く純粋な憧れと微妙にずれているように感じる。そういうのが必ず悪いとは言わないが、過程が楽しめるからこそ、過程の中にある最も大きな成長の可能性を発見できるのであって、過程が楽しめないというのは成長の面でも非常に不利である、なるべく過程を楽しめるものを趣味にするほうがいいのではないだろうか? という感じかな。仕事はそうは行かないけど、少なくとも趣味くらいは、そうあってほしいものだよね?

 さてもう1つは、ちょっとした話になるが「期限を定めるべし」という話を。僕自身スマブラからはたくさんのものを学んだけれど、ちょっとだれてしまったことへの後悔はごまかせない、非常に大きいものがある。もう少し意識的に効率的にもっと早く、こういった学びに気づけたのではないかなあ、ととても後悔している面がある。故に、期限を決めるということの重みを改めて感じた。僕なんかは考えるのが大好きなタイプでとにかく時間があれば考え事ばかりしてる、考えようと思えばいくらでも時間を使い続けてしまう癖があるのだが、そういった特性が悪い方向に向かってしまったような気がする。それを反省をして、「期限を決める」という方法でもう少し自己改革したいな、と。 個人的な反省だが、実際このことは他の人にも結構大事な方法論を提供するのではないかと思う。自分で締め切りを決めて、頑張る、ということ。時間という有限の資源は何よりも大切なので、どうかそれを忘れないようにしたい、と。


 というわけで以上2点、過ちだと感じたことについてまとめて書いた。僕が今感じていることは、「自分の中からひとりでにほとばしり出ようとするものだけを、生きようとしてみる」こと、なんか書こうとした内容がヘッセの「デミアン」の冒頭に似てたので、あえて引用してみたけど、とにかく何が楽しいのか、何がしたいのか、どこに行きたいのか、そういうことを自己反省しながら、世間体とかリターンとかに惑わされずやりたいことやるのが大事なんじゃないかな、と。その方が結果として先に進めるんじゃないかな、と。

 スマブラも改めて、冷静になって、今までの強迫観念を取り払って見たら、勝負の世界として案外楽しめるのかなあ、とも実は思っている。もともと僕がなぜスマブラを勝負の「ゲーム」として楽しめていなかったのか考えると、それは多分僕が最初、スマブラをフィギュアコンプとかクリアゲッター全開放とかそういう方向での楽しみ方をするゲームとして、言うなれば追求型の楽しみ方で、捉えていたからだと思う(だから初めてスマブラSPをやったときコンプ要素の絶望的な削減にひどくがっかりした。当時のブログに対しての気持ちは今も変わっていない。)。VIP到達もVIPを開放するという、クリアゲッターの延長で捉えていた部分がかなり大きくて、とにかく作業と自己鍛錬で記録を伸ばすという発想から外に出ることが、コンプリートのような結果ではなく対戦のような過程を楽しむという方向性にシフトすることが、難しかったのだと思う。だから、そういう元あったコンプリート的思考を捉え直して、純粋な対戦ゲームとして捉えたらまた違うのかな、と。またいつか、機会があればやってみたいと思ってるわけです。

 最近はなにかに追われるように毎日読書しています。読書は読書で楽しくて、色々頭の中がざわついたりウズウズしてくるので、その衝動をどこかで開放して、なにかに挑戦したいですね。

 以上! より良い今日を、より良い明日目指して!!

(追記:ついでに今まで作ったヘッダーを他に置く場所無いのでここ置いておきます。色々作ったなあ笑 個人的にはどれも割とお気に入りです。)
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おわり

追記1:ヘッダーについての備忘録

 これ以上スマブラ記事を書くことが多分無いと思うので保存庫としていくつか。まずはヘッダーの作り方についての覚え書きを。

追記2:勝負で勝つ方法についての覚え書き

 もう一つ、強くなる方法についての覚え書きも置いておきます。自分用のメモだったので有益かは知りません。この記事の草稿みたいなものでもあります。

 勝負を頑張っていたちょっとした慣性みたいなものがあって、なにか書きたくなったので、忘れないうちに書いておく。反省メモ。正しいかは知らない。
 スマブラが強くなるための手順等について。

目標設定

 まずどういうことがやりたいのか考えておく、乱闘エンジョイなのか、タイマンガチなのかその程度のこと。誰もが無意識にやっているが一度意識すると良い。

  • 別に具体的に決める必要はない。最初は漠然とプレイしていればいい
  • 憧れとかを持つと続きやすい。こういうのに憧れる、というビジョンを持つこと。目標は大会結果や数字より、憧れのほうがいい。
  • 細かい小目標を定める。できれば期限を付けてメリハリを持ってやること。

操作精度の向上

 まず最初はこれ、ここからはじまる。これを徹底すること、どんなに面倒でも徹底すること。

  • 基本的な動きをすべてミスらないようにする。
  • やりたい動きをミスらないようにする。困ったらここに立ち返ること。
    • トレモメニューを作り毎日こなすのがいい。トレモメニューは逐次更新すること。
(例)
  • 小ジャンプ、急降下、大ジャンプ急降下
  • 主要コンボ
  • 崖奪いなどのテク
  • 先端間合いの管理等々

※コンボ練習はある程度まで精度が上がったらの話だが、ミスった瞬間リセットではなく、ミスったあとのフォローの練習も含めて練習したほうがいい。ミスってリセットではなく、ミスった場合の動きもしっかり検討しておくと逆にしびれるようなダブルアップが見つかるかもしれない。

(例2)パルテナのトレモメニュー
基本
  • 小ジャンプ急降下、大ジャンプ急降下
  • ジャンプステップ左右(前後向き両方)
  • 空後ぶんぶん、空前ぶんぶん
  • 空前、空後先端
  • 空前、空後最低空
重要操作
  • 下投げ空後
欲しい操作
  • 崖離し空N
  • 崖離し爆炎
  • 崖離しテレポート
中級者操作
  • 崖奪い空後
  • テレキャン着地
上級者操作
  • AC空N(or 反転空N)
  • 空上落とし空上

勝つ方法の集積

 勝負の世界を強いて作業化するなら、それは勝つ方法を集積するという作業だと思われる。それは、「こうしたら勝てた」という成功体験の蓄積と言い換えても良い。
 勝つ方法を自分だけ知っている状態は勝ちに近く、相手も知っているとイーブン、自分だけ知らないと不利という感じ。勝つ方法はなるべく具体的に集積する。成功体験から得られた勝つ方法が通じなくなったら更に新しい成功体験を探す、その繰り返し。そうしているうちに蓄積するということ。とはいえそこまで意識的ではないけれどメカニズムはそういうことだろう。
 スマブラに於いての勝つ方法とは、キャラ対策やゲーム理解、強いムーブの理解と言えるが根本的には、読み合いのポイントを抑えることかも知れないと思っている。

※そもそも勝負事に於いて勝つためにいちばん重要なことは、情報戦を先に制していることのように思う。勝てる情報の集積、というのは情報線で勝利できることと言い換えても良い。情報線を制した上での無条件のわからん殺しこそ、スマブラに限らない1番よくある勝負事での勝ち筋であって、わからん殺しをされないような知識の蓄積が勝負の土俵に立つ第一歩と言えるだろう。強い人ほどこの情報戦の大切さを早い段階で理解しているように思う。勝負事における情報戦の大切さは語るに語り尽くせない。ポケモンガチ勢は、実際のプレイよりも対戦環境理解のための時間の方が多いというくらいだしそれは他のことでもある程度同じと言えるだろう。

※勝つ方法や知識というのは基本的にはヒエラルキーの構造をしていない、非常に横に広い構造をしているように思う。つまり、Aを学んで次にBを学んでというふうな流れにはなっておらず、とにかく必要なことを、それぞれ手当たりしだいに学んでいくというような方法で良いように思う。教育課程のような、ステップを登るようなイメージはあまりそぐわないように思う。手当たりしだいにやっていく中に、結果としてその中にヒエラルキー構造のようなものがあるかもしれないが基本的にはとにかく使えるものをどんどん増やしていく、というのが標準的な方法だろう。変に順番にこだわらず貪欲に学んでいきたい。

  • まず自キャラの強い動きを理解する。強い動きを押し付けて勝つのがスマブラに限らずすべての勝負での基本になる。「こうしたら勝てた」という勝ち方の集積の最も基本であって、これだけで勝てるのが理想であろう。とはいえだんだんとそうもいかなくなるがあくまで基本はここにある。
    • どういう状況で誰に通るかを「具体的」に考えること。通し方をある程度工夫して考えること。
  • キャラ対策、読み合いの要所を理解してそれについての回答を持つこと。特にスマブラSPの場合キャラ対策が非常に重要なのでこれを考えることに多くの時間が割かれることになる。一見すると無敵にさえ見える動きを丁寧に分解し理解対策することが大事。
    • キャラについてではなく「どういう技」に「どうするか」、「具体的」に考えること。
  • 盤外戦術というのもある。これも1つの勝つ方法だがあんまりやりすぎるとまずいので注意。ただ勝ちたいならこれの対策を考えておくことも大事だと思われる。煽り、試合前のプレッシャー等々。
  • 対戦に慣れていくこと。緊張しないようにすること
    • 今の実力以上のことをしようとしないこと(しようとするから緊張する)。あくまで結果を受け入れる姿勢で普段の自分を出すことが大事。
    • 負けても落ち込まないこと。勝つ方法の集積でしか無いのだから、新しい勝つ方法を探せばいい。

※自信について
 自信には実績や練習量など過去への自信と、才能や憧れなど未来への自信がある。前者は本番で自分支える糧になり、後者は練習で自分を支える糧になる。前者は不足すると本番に弱い人間になってしまい過剰だと高慢ちきな人間になりひねくれてしまうリスクが有る。後者は不足するとそもそも続かないし、過剰だと独りよがりで成長する可能性を損なう。自分の自信についてもコントロール出来ることは重要。

勝つ方法の集め方

試合の中で
  • 試合中に反省すること、ここがだめだったなあ、と認識すること。細かい改善を繰り返していくこと。
    • 違和感を感じ取るセンスみたいなのが大事なんじゃないかと思う。どこがダメか把握するためには嗅覚が物を言う。そしてそれは自分でわからなければ上級者に聞くのが良い。そして段々と嗅覚が効かない人が増えていく、それが才能の世界なのかもしれない。
  • 試合の過程を楽しむこと。結果だけではなく過程まで楽しめないと厳しい。
    • 勝ち負け以外の、試合内容への反省や楽しみがないときつい。それが勝負を楽しむこと。
  • 試合前にプランを練って答え合わせしていくこと。
  • アルゴリズムにこだわりすぎないこと、差し合いにおける行動はあくまでその場の判断を重視すること。解答を出そうとせず勘でよい。解答を学んでそれを用いる、と言う考えは危うくあくまで判断を重視するべき
  • 試合で試行錯誤していくこと
動画などで
  • 他人の動画を見る
    • ダメージの稼ぎ方を学ぶ(自キャラ側を見る)
    • 状況判断、相手の動きへの回答を学ぶ(相手キャラ側を見る)
  • 自分の動画を見る
    • 自分で違和感を探す
    • 違和感を他人から感じてもらう

※リプレイを見てもらう際はまず自分で見て違和感を探してから見てもらうのが良い。そうすると議論にもなるし答え合わせにもなるため理解がぐっと深くなる。それをせず見てもらうだけでは損も大きい。

理論と感覚

 理論は感覚を補助し、感覚を作るための道具になる
 ネイティヴなら語学に文法がいらないように、ベースとして感覚でできるのなら感覚で良い。感覚でできない人が論理が必要になる。理論の長所は再現性の高さと他人への共有。文法から言語を学ぶように、「感覚を得るための道具」として理論が必要になる。あるレベルまで行くと内容が複雑化しすぎて理論化できなくなる、そうなると感覚という自身の明かりだけで先に進まないといけなくなる。その段になると、才能という概念がもっとも大きく現れてくる。感覚は才能。
 感覚というのは「違和感に気づく能力」。ここがおかしい、ここがまちがっているとわかる能力。それが出来るから先に進める。特に創作はそう。それがあるから作品がどんどん良くなっていく。絵では構図やモチーフへの違和感、文章では語法の違和感、文の流れへの違和感、音楽では気持ちよくなさ、音の狂いに来づけるような、完成品を知っているから、完成した状態を直感的に理解できるからこそ来る違和感、それに来づけるのが感覚、才能だと思う。
 とはいえ、理論で習得できる面も大きく、理論を、基礎を徹底すればあるレベルまでは到達できるように思う。才能に関わらずとにかく基礎を徹底することが大事。基礎さえできれば上位1%にさえ行けるのではないかと思う。

勝負への精神論

 僕は強い人の強さとか在り方みたいなものへのあこがれはあったけど、別にそれだけだった。チヤホヤされたいだけ。

  • 強さには憧れるけど勝つことに対する興味がない
  • 勝ちたいと思っても勝負そのものを楽しめていない、結果しか楽しめていない。
結論:

 まずベースとして勝負を楽しむこと。勝負の何が面白いかを理解すること。強者になることではなく勝負というものを、ゲームというものを理解すること(ゲームを楽しんで、ベースとして自分の頭で考えて戦っているから、勝負の中で自然と反省し、そして強くなる)
 結果の成長ではなく過程の成長までも目が向くから強くなるし楽しい。

ゲームを極めること

 ゲームを極めるのは勝ち方を蓄積し実践する方法を学ぶこと。それにはたくさんの試行錯誤が必要でそれは例えば絵を描くことを学ぶことと似ている。ゲームがうまくなりたいのか絵がうまくなりたいのか、そこにあるのはそういう選択肢だと知った上でゲームを選べるのか、問い直してもいいかもしれない。

スマブラ各論

 距離というファクターを理解すること。この距離で、こうする、という自分の動きの考えと、キャラ対策の考えの両方を用意しておくこと。距離という着眼点があるとキャラの動きの構成もキャラ対策の構成も進みやすい。N展開は距離で決まる。

結論

 僕のスマブラへの向き合い方として最適なのは、別にプロになりたいわけではなかったのだから、ただちょっと気持ちよくなりたかっただけなのだから、そういう目標に向けて楽しむようにする。メイト1800は基本的には誰にも馬鹿にされないし、それでいてどこでもそれなりに楽しめるゾーンだと思ってたからそれが目標だったんだと、今にして思えば感じる。
 いずれにせよ、そういう目標の前に、まずは楽しめるようになること。試合を楽しめるようになること。勝ち負けでなく過程まで見られるようになることが大事。そうした上で自キャラ理解(ターン継続の研究ととN展開での距離の場合分け)とキャラ対策(距離の場合分け、反撃の理解、弱点など)を詰めていって理解していけば多分自ずと強くなったのではないかと思う。

自分にとって重要なこと

 勝負の世界での勝利で得られるものは極論で言えば人からの評価だけだ。いや、創作もそうだし追求なんて自己満足だけだったりするわけだから同じようなものなのだが、個人的に重要な違いはたぶん何も残せないということ。強さは資源ではない、なぜなら持ち越せないからだ。勝ち続けることでしか証明できず、現役を退くとその価値は失われていく。僕は現役引退する人を見ることがとにかく辛かった。こんなに頑張った人が、こんなに強い人が、ただの人みたいに扱われるなんて、ということが耐えられなかった。強さは持ち越せればいいのに、なにか残せればいいのにと願った。そしてそこには僕の努力した場合の未来を見た。努力してその先に何が……と。
 ただやはり、勝負ってのは終わった後なにも残らないものなんだよ。結果は残る、結果から得られる名誉も残るかもしれない、お金ももらえるかもしれない、でもそれだけだ。後に何か残してるわけではない、あくまで結果でしかない。目の前の相手への自分の有意差を示すだけであって、それが絶対的なものかどうかもわからない。だからこそ、それでも勝負をする理由はそれが楽しいからだ。ただ楽しい。勝負をすることは楽しい。勝つのは何よりも楽しい、負けても楽しい。勝つための創意工夫と駆け引き、そして知識を増やす成長とその実感、対戦相手との空間を、勝ちのリターン、そういったものが何よりも楽しい。その時間が、何よりも重要な「結果」になる。だからこそ勝負を続けていく。
 その上でリターンというおまけが付く、名誉や強者としての人生というおまけが付く。ただそれは多分本質ではないだろう。少なくとも僕にとっては。
 

 

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おわり

*1:チヤホヤされたいだけのモチベで大成してる人もいる、とかい反論は知らん。知らん。そんなものは知らん。多分それで大成している人は、過程を楽しめることをしてたら、もっと大成できたんじゃないかと思うよ。

エンドレスイシュタル後書き

 ホントは2019年の8月末に書いていた記事なのに投稿するの忘れてしました笑 アホ!!

 なんとなく書きたくなのでちょっと書く。

 エンドレスエイトというアニメ史に残る怪現象があった。2009年4月、「涼宮ハルヒの憂鬱」という作品の中で、同じ話を8週間連続で放送するというかなり攻め込んだ挑戦をし、当時のアニメ界を震撼させたというものだ。8週間連続!! 約2ヶ月、ハルヒを見ようと思ってテレビをつけると同じ内容が放送されているのである。なかなかに凄まじい。
「あれ? 俺録画付けたんだっけ……? あ、これ放送中のやつだ。え? マジ?」
 僕はリアルタイムで見たわけではないので(とはいえ2009年中には見たのだけれど)当時の雰囲気はよく知らないのだけれど、それにしてもまああんなものよくやったなあと思うものである。まあやはりはっきり言って成功すると言うのは難しいだろう。飽きるに決まっているし、なんならストレスが溜まるに決まっている。実は毎回作画は作り直していたり、声も撮り直していたりと全く手抜きではないのだが、リアルタイムに見ている人はそんなことに気づくわけもなく手抜きとしてか思えないだろう。
「俺はハルヒを楽しみいしていただ!! ふざけるな! 消失*1やれ! もっと他の話やれ! 尺を無駄遣いするな~!!!」
 実際の当時の雰囲気は結局の所よく知らないが、それにしてもまあ同じようなものだと思う。僕は後から一気見したけどそれでも辛かった。自分は原作を読まずにアニメから入ったので、オチがびっくりするほど何もなかったのが辛かった。かなりの消化不良、というか時間がもったいない感じさえした。
 当時の雰囲気は以下のブログがとてもわかり易い。
エンドレス騒動・アニメ第二期の噂│涼宮ハルヒの集約│情報まとめ
こういう雰囲気が見える文章や記録というのは素晴らしいものだと度々感じるところである。
 あと当時元京アニアニメ監督のヤマカンこと山本寛が謝罪したりなんてのがニュースにもなったりしてその記事が残っているのが面白い(当時のヤマカン勢いというか支持があったなあとか思ったり思わなかったり)。コメント欄まで読むとな面白い。
大不評「涼宮ハルヒの憂鬱」 山本寛監督が「ユーチューブ」で謝罪 : J-CASTニュース
 何にせよまあ本当に色々あったみたいだ。

 で、まあ、それを真似てやろうと思ったという次第である。アホ! 間抜け! トラブルしか持ってこない柑橘類!!
 これはもう実は自分のアカウントで1日1枚の鯖紹介をし始めたときからやりたいと思っていた。1日ごとに図鑑番号1から順に紹介していく中で、イシュタルの紹介が始まる142回から1周間くらい連続でイシュタルを紹介し続けやろう、とずっと画策はしていた。だってそっちのほうが面白そうだもの。ただ、具体的なアイディアは特になくまあイシュタル近づいたら考えるか、と慢心をしていた。結果気がついたらイシュタルがめっちゃ近づいていた。7月のことである。エンドレスエイトを真似るのなら8月にやりたいという気持ちがありさらには、「連続して1騎ずつ紹介する中でイシュタルだけ7回連続紹介する」という形にしないとただ「なんか毎日紹介しているだけ」になってエンドレスエイト的な、「まだやってるよ感」が出ないという問題があり、最低でも7騎くらいは鯖数が残っていて、そこから流れで、という気持ちもあった。ただ、気づいたときにはもうイシュタルまでに7騎しか残っておらず、また、それを紹介してしまうと7月中にエンドレスエイトを始めることになってしまうことに気づいた。まずい! そこで急遽謎の減速をし、鯖紹介が強制終了(まあそれまでも度々間隔開けていたのだけど)。エンドレスエイトに備えることにした。
 で、7月末、いざ始めてしまおうと思い嬉々として投稿を初めたところで問題が発生した。FGOもう4周年じゃん!!! 流石に4周年とかぶせてイシュタルをぶっこむのはアカウントのやり方としては望ましくない。4周年は新鯖が来るはずだしスカディも来るだろう。新鯖はちゃんと紹介するのは自分の流儀だし遊びはそうじゃないところでやらないと意味がない! イシュタルエンドレスしていたので新鯖スルーしましたでは悪い意味での二の舞になってしまう。それは避けねば!!!
 そこで急遽ストップを掛ける。結果として新鯖1騎どころか8騎きたし、スカディはこなかったしで予想は大きく外したがとにかくそこからは新鯖紹介でにてんてこまいである。しかもその後は新水着鯖も紹介したりというのもありどんどん後回しに……。
 結果、なんとなくやりたい気持ちを残したまま、かと言って何もできずに8月は終わってしまった。最後のエンドレスエイトチャンスだった8月17日からの時期があるにはあったのだが、こともあろうに僕自身がFGOの舞台ラスベガスに物理的に行くという謎状況と重なってしまっていたためセットアップもできず、また、3騎だけで滑り出す難しさや水着鯖のPU2を考えつつというタイミングの難しさなどから結果として逃してしまった。もうおしまいである。かなしい。さらば、わがイシュタル。まあ適当に紹介していこうかな、そう思いながらなんとも踏ん切りがつかず、そしてそのままギル祭が始まった。
 しかしそこで転機が訪れる。イシュタル宝具強化、そしてイシュタルPUがついに開催することが決定したのだ!!! その瞬間これが最後のチャンスだと思った。イシュタルPU中なら新鯖も多分来ない。来ても鬼ランド! このタイミングで、やるしかない!!! 僕は慌てていくつかの準備をして実行した。

すべりだしに京まふから

 その前に京まふがあったのでそこを滑り出しとした。どちらにしよPU星5は紹介したかったし、流れとしてはやや短いがタイミングとしてよかったと思った。

その1 文章を毎回変える

 イシュタルを毎日紹介する。これは僕の理想形であった。好きなものを紹介するのは楽しいのだ。ただやはり手抜きだと思われても面白くないし何よりもリスペクトが足りていない。ここはなんとしてもすべて別の文章で用意すべきだろう。というわけで用意した。

その2 画像をすべて新しくする

 これは大変苦労した。もともと画像を差し替える気はそんなになかったからだ。たがやはりせっかくエンドレスにするならそういうところにこだわったほうがいいだろう。型月はエイプリルフールにやたら予算かけてるし自分もがんばろう、ということで頑張って画像を作った。アイコン画像を追加で14枚。。。ちょっと大変だった。

その3 ごめんねエルキドゥ

 今回ありがたかったのはエルキドゥとの抱き合わせがあったことにほかならない。本来ならイシュタル紹介→次はエルキドゥだろう、となるところでまたイシュタルとすることで「またイシュタルじゃん!!」となる。イシュタルイシュタルイシュタルイシュt……。エルキドゥには大変申し訳無いが一方で宝具強化のときに紹介したのでまあ一応してるしいいかな、という感じになった。というかエルキドゥ強くなったなあ。全鯖1位火力は凄まじい。

その4 当初の倍の14日やる

 そしてなによりこれである。イシュタルPU中ずっと紹介することにしたのだ。もともと一週間の予定だったが、エンドレスエイトも8/17~31の15日間、イシュタルPUも10/2~16の15日間とぴったりであることに気づき、その瞬間やるしかないと思った。そして鯖画像の日付もそれに合わせることにした。エンドレスイシュタルの開幕である!!

結果

 まあ、うん。こういうのって難しいよね。フォロワー数は減った。多分ちょっとうざかったかもしれない。でも、まあ、イシュタルの超然的テンションはハルヒに通ずるところもあるし、まあいいかな、と思っている。自分的にはやりたかったことが1つ完遂できて満足している。ああ、安心した……。
 最後にアイコンの工夫した部分をぺったり貼っておこう。
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 やっぱりイシュタルなんだよなあ!!!

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おわり

*1:最も人気の高い別のストーリー

なにかあたらしいこと

 年齢もあるのだろうか。最近自分の才能みたいなものがだんだん衰えるような気がして、怖い。とても怖い。

 自信のあった記憶力とか、自信のあった時間をかけて考える力とか、自信のあった帰納的思考とか、自信のあった発想力とか、そういうのがなんか失われる気がして、怖い。努力をしないことで、積極的に刺激を与えないことで、何か自分が朽ちていくのを感じて、怖い。怖い。怖いよぉ。

 何か、したい。でももう時間もない気がする。これでいいのだろうか。これで良かったのだろうか。

 最近読んだ小説に、頭のおかしいキャラが出て来た。頭のおかしいキャラは頭がおかしいキャラとして、悪として当然のように倒された。倒されたのだけど、そのキャラを見ていると、ただなんだか昔の自分を見ているような、そういう何かを感じて、忘れていた感情が再起されて、ここ最近とても困惑している。頭がおかしいはずでも、なんだか理解できすぎて、人間味さえ感じてしまう。そしてそのシンパシーが頭でリフレインして、頭がぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる。

 燃え尽き症候群というわけではないが、なんだかこの恐怖と悔恨のような感情をどう処理すればいいかわからない。何をしよう、何がしたかったっけ。何か新しいことがしたいはずなんだけど、わからない。こまった。何か能動的に生きたいと、やっぱり思ってしまう。でもそんなものない、のかなぁ。

 自分はあんまり自分のすべき努力をしてこなかったと思う。だからどんどん朽ちていった。自分の可能性みたいなのをたくさん捨てて来たと思う。他人と比べて特別だったとは思わないけど、やっぱり捨てて来たのは勿体無かったと思っている。後悔している。とても。

 こんなんじゃダメだぁ。朽ちていくのがわかる。怖い、怖いよぉ。あああああどうすればあああああああ。

スマブラガチ勢だった僕が引退を決意した話

 何から書こうか。何を書こうか。僕は先日、1年以上、2000時間以上、18000試合以上、多くの情熱と時間を費やし続けてきた大乱闘スマッシュブラザーズSPというゲームをやめることにした。その話を書いていこうと思う。
 僕は僕なりに、スマブラというゲームに真剣に向き合ってきたと思っている。僕のスマブラ歴について少し書いておくと、2019年の2月頃にスマブラを始め4ヶ月程度で最初の目標だったVIPに到達、使用キャラはルキナパルテナポケモントレーナーで特にパルテナはその華麗なビジュアルと気まぐれ女神キャラとしてのキャラ愛、そして使い勝手の良い性能からかなり愛用していた。
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 漠然とした目標としては、スマメイト1800やオフ大会で結果を残すことなどがあり、それに向けて、というよりは純粋にただうまくなるという目標を持って、毎日だれかとや専用部屋での練習を繰り返していた。
 また、スマブラを頑張る傍らそこで考えてきたことは定期的にブログにまとめたりしていて、特にVIP到達記念に書いた「0から始めるVIPの入り方」は割と多くの人に評価してもらうことができた。
ishtarvenus.hatenablog.com
 また、それ以外にも大ヒットこそしないもののそれなりにヒットした「スマブラ基礎理論ノート」というものもあり、とにかく考えて論理的に勝ちたいという方向性でスマブラに取り組んでいた。
ishtarvenus.hatenablog.com
 ただ、そうした日々を過ごしてきた上で、「僕はどうにもスマブラというものに向いていない」ということがわかり始めてきたのだった。これは1年間自分なりに真剣に向き合ってきたことでやっとわかった事実だ。スマブラに触れる過程でいろいろな「初めて」を経験することになり、そこからやっと得られた知見だと思っている。「最初からつまらなかった、やるべきではなかった」というような話ではない。
 そういうわけで今から、その思索について色々書いていきたいと思う。スマブラというゲームの問題点というよりは「ゲームに向き合うっていうのは難しいことなんだね」という話なのでおそらくはスマブラに詳しくない人であっても読みやすいふうになっているのではないかと期待している。こういう視点があるのか、といった1つの経験談の話として捉えてもらえると幸いだ。それでは始めて行こう。

 ……余談だが、「長い引退記事を書くやつは引退しない」というネット上の超強力な法則がある。実際この記事は20000文字くらいあるわけで、普通に考えればかなり長いのだが、でもまあやめるつもりは実は結構ある。あの法則は長いということは未練が強いことの証左であるという論理付なのだが、では僕は未練が強いのかと考えると、まあうまくならなかったことは結構かなりガチで悔しいものの、それが運命だと割り切ってる気持ちもあるのでそこまで強くないと思っている。じゃあ未練がないのに何をそんなに長々書いてるんだというとそれはぜひ読んでいただきたいというところなのだが、まあ一言で言っておくとスマブラを通じてわかってきた、学んだことをとにかく熱意のままに書いてしまったという感じだ。まあ所詮は個人の日記であって今までのような講座の記事ではないからどうやっても個人的な話が多くなってしまうのだけれど、でも一応一般論的な話でまとめていったと思うのでなんか適当に読んでもらえると嬉しい。では、今度こそ始めて行こう。

(※以下に書くのは精神的な理由の話なので、スマブラのシステムについての話を見たいという人は

まで飛ぶことが推奨される。)

 スマブラがなにかと言われたらそれは多くの人にとっては趣味だろう。もちろんスマブラが人生の花という人もいるだろうし、強い人と言うのは大抵それくらいの覚悟を持ってやっているので、そんな人に趣味程度の人間が勝てるという道理は合ってもらっては困るくらいなのだが、とにかくまあ趣味という人が多いのは事実だろうと思う。僕の場合どうだったかと言うと、これは「今は趣味だけど趣味以上のものにしてみたい」という感じでスマブラに臨んでいた。「ひょっとして僕に才能があっちゃったりして、ひょっとして僕が勝ちまくれちゃったら夢のモテモテスマブラライフが到来するかも! そうなれそうならその時からガチでやっちゃおっと!」みたいな、そういうクソ甘えたような覚悟だったと思う。でもまあありがちな甘えだと思う。誰しもそんな最初から覚悟を持ってスマブラやってる人なんていないと思うし、みんなテキトーに始めてテキトーに続けるものでそうやって、続けてるうちになんとなく向いてる気がしてきて気がついたらのめり込む、そういうものなんじゃないかと思う。そういう気軽に始められるフットワークがあってこそいろいろな経験が出来るというものではないか! ね?
 閑話休題。で、まあ何にせよそういうある程度の時間をかけて極めるもの、これをあえて「趣味」と表現してしまうけれど、趣味というのには僕は大きく分けて3つの方向性があると思っている。1つは絵やプログラミング、作曲や執筆といった「創作の世界」。1つは読書や勉強、楽器や登山のような「追求の世界」。そして1つはスポーツや競技ゲーム、ビジネスや人間関係のような「勝負の世界」だ。どの世界が良いとか悪いとかではなく、趣味というやつを純粋に見つめてみると案外方向性が違っているという気付きの話である。この発見が実は僕にとって大きなものなのだがそれはまた後にしてとりあえず、結論から言ってしまうと、僕がスマブラを辞める理由というのは、この「世界」というものの不和の話だ。端的に言えば「今まで創作や追求の世界しか知らなかった人間として、今更勝負の世界を志向するのは厳しいかな」と思ったという話だ。これだけではもちろん話として微妙なので、以下に趣味の3つの方向性についての話を少しさせてもらおうと思う。持論が多くちょっと長いので読み飛ばし推奨かもしれないが、ただ個人的には面白い話だと思っているので読んでもらえると嬉しい。

 まず「創作の世界」について話していこう。「創作の世界」というのは読んで字のごとく、何かを作る趣味に没頭し先を目指していくような生き方だ。作るものは何でもいい、ただ創作の世界というのはとにかく果のない自己表現の世界であって、その趣向はとにかく「良いものを作りたい」という帰結に通ずる。趣味として本気で没頭するのであれば、それは常に自分が作れる最高のものであってほしいという願望が付随していないと、その在り方としては適切とは言えないだろう。ただ表現するだけというのは成長や先に繋がる可能性が薄いデイワークにすぎない。創作とは自己との挑戦でもあるのだ。そして、そうしてできたものが「傑作」であったなら、それは創作の世界に住むものとして最上限の喜びであって、その見果てぬ夢こそが創作の世界に生きる人の原動力になるのだ。
 「創作の世界」に住むものの特徴は「自分は小さくてもそれでも何かを残したい」という謙虚さと「自分にしかこの作品は作れないはずだ」という傲慢さであると思う。前者があるからこそ何かを作るということを趣向し、後者があるからこそ作品が完成する。
 「創作の世界」はあくまで「個人と社会」という関係性があり、自分が作ったものは社会に理解されなければ先に進めないという制約がある。もちろん「社会の人たちは何も理解しない」と思いながら自分だけを信じて作る創作もあるけれど、そうであっても「社会から評価されなかった」という事実はそれ自体が創作に影響を与えることになるだろう。いずれにしもて客観的指標というものが得られにくい創作の世界は、人を沼に沈め無限の自己陶酔に陥らせる恐ろしい側面も内包している。創作の持つ「個人と社会」という関係は逆説的にはその共同体の創作を見ることがその社会の趣向を表現しているという見方もできるかもしれない。
 個人的にはそのニッチな性質に反して、創作は日本においては実は他国に比べても非常にメジャーな趣味なのではないかと思っている。ものづくり大国、日本! というふうに。機械設計なんかもそういうところがあるのだろうか。
 以上が創作の世界である。誰しも憧れやすい漫画家やら絵師、シンガーソングライターや作家などは創作の世界のきらびやかな側面でありそうなれないとしても創作というものの魅力は捉われる人にとってはいつまでも尽きないものであろう。

 次に「追求の世界」について話していこう。追求の世界は代表的なものが学問だとか語学だとか楽器の練習であったり、あるいは一部武道や登山やゲームのRTA音ゲーやら、ある意味人によっては地味に感じられるような修行の世界である。追求の世界というのはとにかく自分自身の成長や世界の先に到達することを第一の趣向としており、膨大な人生というゲームを攻略していくようなRPG的世界観がこの世界の概観であろう。
 先程の「創作の世界」が「個人と社会」とのつながりであるとしたらこの「追求の世界」は本質的には個人だけの世界であってそういう意味では非常に孤独な個人主義の世界である。追求の世界の醍醐味はなんといっても自分の成長、知らなかったことを知る、できなかったことが出来るようになる、そういった変化に対する純粋な喜びであって、また自分のやってきたことに対するリターンが最も体感しやすいレベリングのような世界観でもある。技術を習得していく、思考を増やし知識を増やしていく。そういったプロセスを経て見果てぬ何かを求めることこそが「追求の世界」の目指す先であろう。
 1つの注意として、例えば絵を描こうと思ったなら、それは単に表現したいものを持つということではなく、もちろん絵を描く技術を習得している必要があり、そういう意味では絵を描くのも「追求の世界」と言えるのではないかと思うかもしれないが、ここではそうではないと言っておく。というのも絵を描く技術を習得するのはあくまで「それで何かを表現したい」という表現の目的意識が存在するのに対して、「追求の世界」というのは絵を描く技術そのものが目的である傾向が強い。別に技術に対する興味で終始しているためそれで何かを表現したいというのは二の次の話なのだ。やはりなんとも地味な生き方であるかもしれない。しかし最も純粋な喜びの得やすい、また争いの少ない牧歌的な世界と言えるだろう。
 また、追求の世界は「とにかく現実の生活に必ずしも役に立たない、他人からの評価も最も得られづらい」という欠点を抱えており、自己満足なくして成立しない分野でもある。他者からの評価を求めすぎるのは、追求の世界に身を置くときの正しい態度とは言えないだろう。あくまで日々の成長こそが追求の世界の醍醐味であって、それが理解されるかどうかはあくまで運ゲーとさえ言えるかもしれない。他に比べても追求することそのものに面白さがないとかなりやっていくのが厳しい分野と言えるだろう。
 個人的にはその地味さのせいなのか、追求は日本においては非常にファンの少ない世界のように思える。この世界は個人主義思想ともリンクしているのか西欧のほうが好む人が多いようで、科学文明にまで発展したのはそういう傾向によるものかもしれないと思ったりもするがそれは比較文化論の意味わからない話になりそうなのでやめておこう。危険である。
 とにかくこういう志向の世界は確かに存在しており、そういうのを好む人生というのも確かにあるということはここに記しておきたい。

 さて、最後に「勝負の世界」について話していこう。「勝負の世界」は「個人と個人」の世界、人と交わり人間社会の中で勝利を得ることを志向する最も人間らしい現実に即した世界のことである。例えばスポーツや将棋、対戦ゲームはその最たる例であり、あるいはそうでなくてもビジネスでの駆け引きや喧嘩、一般の人間関係、あるいは恋愛なんかもこの「勝負の世界」での物事と言えるかもしれない。
 勝負の世界には何よりも花がある。勝利によって得られるリターン、勝者として存在することの高揚感は非常に大きく、勝負の世界を極めることはもっともメリットに繋がりやすく人生の攻略という意味では最もそれに近いと言えるかもしれない。というよりも勝負の世界を一切経験せずに生きていくことは本質的には不可能であって、勝負とは人生そのものとさえ言えるかもしれない。ただ、それを趣味にするかというところには好みが分かれ、あくまで趣味として生きるのなら勝負よりも創作や追求がいい、という人も案外いるのかもしれない。
 勝負の世界はあくまで人間の間でこそ起きるものであって、勝利という結果の持つ重みは非常に大きいものがある。技術を磨くのも作戦を練るのも知識を増やすのも、あらゆる努力をするのも本質的には勝利という結果のために行われるものである。努力そのものに価値があるというのは勝負の世界の慰めとしては使われることもあるし事実ではあると思うが、やはり勝利という結果を志向するからこその努力であって、追求の世界のような努力そのものの目的化とは本質的にはわけが違うだろう。勝てないと、勝つことなしには勝負とは成立できないのである。
 その結果ある意味で言えば、本質的には「上手いこと」よりも「結果として勝つこと」のほうが重要であるというのが「勝負の世界」の大きな特徴かもしれない。「追求の世界」であるのなら、追求の結果を比べ合えばそれでどちらが上手いか比較できるし、故に上手いことを追求する世界なのだが、勝負はそうも行かないことが多いのである。というのも「上手さは勝つことでしか証明されない」からである。どんなに下手くそなプレイをしても、どんなにおかしな動きをしても、それで結果として勝てば「勝つためにあえてそうした」といえてしまう。どんなに練習を積んでも、どんなに時間をかけようと、それが勝利につながらない限りその価値は否定されてしまう(あるいはそういう気持ちになってしまう)ことさえあるのだ。結果として、こうした勝利の持つ絶対性が大きすぎることから、過程の楽しさというものが大きく損なわれてしまうことがある。勝敗という残酷な悪魔が一切の自己弁護も自己陶酔も許してはくれないというのは勝負の世界への持つもっとも過酷な特性だろう。
 この本質的には「上手さ」より「勝敗」を追求しているという点は個人的には勝負の世界での大きな特徴のように思う。もちろん上手さを追求した結果勝てる、という像も存在するが、それは視点としてすこし見方が違うのではないかと僕は思う。というのも勝負の世界において勝つための確固たる方法論や正解というのは存在しないため、本質的には追求というアプローチは不能だからである。何が上手さか、どれが正解でどうしたらうまくなるのか、といったこと自体最終的に勝敗で評価される勝負の世界に於いて、上手さを追求する自己完結的プロセスにはどうやっても限界があるのだ。こうしたら勝てる、ここまで頑張ったら勝てる、という話が存在したとしても、結局のところ勝負の対戦相手もそれをやってしまうため存在し得ないのである。これが勝負の世界で最も難しい部分だろう。
 勝負の世界はやはり最も実用的で他者からの直接的評価を得やすいという意味ではどんな社会でも最も好まれる趣味だと思う。というかこれを追求しない人は人生をなめてるのではないか、とさえ思う人がいるかも知れない。趣味と非趣味がある意味混沌としていることもありどれだけの人がどう好んでるかと言うのは難しいが、やはり最人気の世界だと思う。人の話を聞いていても勝負で勝つための話をすることがやはり多い。どんな人間であっても勝負から目を背けることは出来ないのだ。

 さて、僕がスマブラを諦めた理由は要するにこの勝負の世界に立ち向かうのがどうしても自分に向いてないと悟ったからである。
 僕は今までの人生でずっと、勝負の世界というものを全く意識せずに生きてきた。僕が人生で初めて楽しいと思ったのは絵を描くことや物語をつくる創作の世界だったし、それ以降好きだったのは数学だったり暗記だったりの追求の世界、唯一やったことがあるスポーツも勝負よりは追求の世界という感じの陸上競技弓道であったし、それ以外でも演劇やら作曲やら語学やら旅やら、意識していたわけではないがとにかく一貫して勝負というものを全くしてこなかった。
 それだけではない。僕は勝負というものに出会ったとしてもそれを勝負ではない形で処理しようとしてこれまで生きてきたのだった。例えばスコア対決のようなゆるい勝負であれば「相手に勝つこと」ではなく「これくらいのスコアを出す」というふうに目標を置換して追求的に臨んでいたし、あるいは面倒そうな勝負の世界に巻き込まれそうになった場合、無意識のうちに白旗を上げて「最弱」という地位を真っ先に貰いに行っていた。勝負に参加しない人畜無害な存在であることを真っ先に主張することで、多少の侮蔑を我慢しながら自分のしたいことをする、というのが僕の生き方だった(例えばスクールカーストだとか、マウントの取り合いとか)。カードゲームのような、一見勝負の世界のものにしか見えないものを真面目にやっていたときでさえ、僕は勝負という意識は一度もしたことがなかった。僕にとってはカードゲームは、自分の手札を見ながら最適解を計算する論理パズルであって、根本的には対戦相手がCPUでも人間でも変わらないと思っていたし、自分の知識や計算量、経験といったものを増やしていく追求的な側面だけが成長だと思って疑っていなかった。といよりもそれしか知らなかっただろう。
 そういう意味で僕はスマブラというゲームに触れることで、初めて勝負という世界を知ることができた。スマブラでどうやっても勝てない、という事実を深く考えることは、僕に初めて、今までの追求や創造的な姿勢では先に進めない、という最大の発見を教えてくれたのだ。スマブラは僕に、勝負というものを教えてくれた。
 僕が勝負というものを意識せずに生きてきたことは、スマブラについての僕のブログを改めて振り返ってみるとよく分かる。僕はスマブラの「研究記事」を2個ほど拵えているがどちらも驚くほど勝負というものから浮世離れしようという甘えた意図が見え隠れしている(といいつつも僕自身では僕の2つの研究記事には十二分に価値があると思っている。具体的にはスポーツにおけるスポーツ科学のような、勝敗とは関連しづらいけれど無駄にはならない、というような種類の価値があると思っている)。僕のスマブラに対するアプローチは長らく、「将棋には必勝法があるのだからそれを研究して発見すればいい」という方向性のものだった。わかりやすく言い換えるなら、「ポケモンでいうとレベル100になればレベル50のポケモンには必ず負けなくなる。頑張って経験値を積んでレベル100になろう」、というだけのアプローチだった。勝負というものを一切見ずに、ただ自己完結できる研究の世界だけでスマブラを攻略しようとしていたのだ。実際に強い人が高い勝率を維持できるのはレベル50と100数比べというわけではなく、勝負に向き合った上で勝率が上がるような動きをしっかりできているからである。それをレベルという数値で評価してもいいが、別に数値比べで勝ってるわけではないし、そう考えてしまうと何かを修了することで勝てるようになるという誤解が発生してしまうだろう。例えば「1000試合したら絶対にVIP(上位3%)までいけるようになる」みたいな。実際にはただ1000試合するだけではだめで本当に大事なのはそういう作業としてのレベリングではなく、しっかりと密度のある練習をしていくことなのだが、僕について言えばそのことを本気の本気で理解していなかった。じゃんけんの必勝法を探すようなそういう誤解をずっとしていたのだ。じゃんけんに上手い下手があるわけではない。じゃんけんで勝つためには結局のところ目の前の勝負で勝てるように、しっかりと傾向を見ながら策を凝らすしか無いのである。僕は勝つためのアプローチというものを本当にまるっきり知らなかったのだ。音楽理論だけで作曲はできないし、将棋で勝つためには論理的な必勝法なんか探すよりも定石を覚えて勝負に慣れたほうがいい(もっと言えば定石を覚えれば勝てるようになるという発想も少し甘い、それは手段の1つでしか無いことに注意しないと足元をすくわれるだろう)。スポーツ科学を勉強するよりもたくさん試合をして筋トレをしたほうがよっぽど効果的だろう。僕はそういう意味で全く勝負というものを理解できていなかったのである。勝負から逃げ続けてきた僕は、勝負というもののふの集う戦場に、甲冑と刀でなく白衣と顕微鏡を持って立ち向かうような場違いをずっとしていたのであった。全くアホアホのアホである。
 で、以上の「大きな過ち」に気づいたのは10月頃であった。そこで僕は考え方を大きく変え、勝負に向き合う、というふうに姿勢を変えることにした。この瞬間僕はほんとうの意味で初めて勝負というものに向き合うようになったのだと思う。そうやって改めて見るスマブラというゲームは、見慣れていたはずが少し違う、新鮮でエキサイティングな異世界だった。考えを改めた瞬間、たくさんの無知な誤解をしていたことに気づいたのだ。例えば、「相手のこの動きにはこれが正解で勝てる、というようなものが存在する」とか、「この型の相手にはこの戦法こそが必勝法である」とか、「この動きさえ覚えればこれくらいのレートに必ず行ける」とか、「ある戦法を編みだすことでアルゴリズムを履行して相手に勝てる」とかとか……。セオリーは手段でしか無いし、強い択というのもあくまで確率的に誘導しやすいだけの話である。本質的には勝つためには相手を見て、自分の頭で考えて(これを長らく事前準備で作戦とアルゴリズムを練ることだと誤解していたのだが実際には対戦中に適切な判断っをしてという意味である)、そして、持っている択を駆使しながら勝ちに行くことが勝負である。決して試合数やテクニックを見せびらかして「俺のほうが上手いから勝ちね」などということではない。それがしたいならタイムアタックでもやっていればいいのである。
 そういうわけで、「漠然とレベリング的に上手くなる」ではなく「火力を上げてテクを覚える」でもなく「目の前の相手に勝つために考え、勝ち方の引き出しを蓄積していく」そういうアプローチにそのときになって転換することになった。なるほど、それが勝負というものなのか。なんとも未経験の世界だ。それはとても面白いことに違いない、と。
 ……だが、やっとそれに気づいた僕は、そういうふうに勝負を見ていくにつれて、結局最終的に勝負に対しての適正のなさを感じることになった。

 僕は結局勝負というものが本質的には多分あまり好きではなかったのだ。強い人には憧れるし、そうなりたいと強く思うが、それはその人の持つ「強さ」という架空の資産に憧れているにすぎず、本質的な意味で強くなりたいなどと思ってはいなかった。本当に必要なはずのそれまでの過程、勝負という世界そのものを全然楽しんでなどいなかったのだ。言ってしまえばただチヤホヤされたいだけ、というそういうだけの願望に違いなかった。強くなりたいと口では言っても、その実努力がなされていなかったのは多分、そういうことだったのだろう。
 僕は勝ち負けというデジタルでしか評価できないことが好きではない。僕は勝つことで目の前の人が泣きそうになる顔を見るのがどうしても苦手だ。僕は練習が必ずしも結果に結びつかず、敗北という結果で自分が否定されたようになるのに耐えられない。僕は勝利という結果よりは「上手くなった」という結果が欲しかった。僕は目の前の人に勝つことにこだわることができない。僕は「追求」というアプローチを今更やめることができない。僕は上手くなったら「強さ」という架空の資産で100戦100勝できるようになりたかった。僕は……僕は勝負という過程を楽しめてなんかいなかったのだ。ただ、勝って、自己陶酔がしたいだけだった。

 それが振り返っての僕の本質だったと悟ってしまった。だから、これから続けてもうまくなるわけがなかったし、もっと他の世界のほうが僕に向いているのだろう、と思った。
 それで引退することにしたのだった。
 スマブラを通じ得た出会い、スマブラという初めて触れた勝負の世界を見て学んできたことは人生の財産だと思う。勝負という世界からずっと逃げてきた僕にとって、それは月面旅行に近いような本当に真新しくて貴重な経験だった。
 だから結果としてただの雑魚として終わるとしても、経験としての後悔というものはない……わけではないけどそんなに大きくはない。
 僕は今までスマブラ、というかゲーム全般をゲームのセンスなるものを覚醒させて、それで突然強くなるみたいなしょうもないビジョンをずっと思い描いていた。センスがあってうまくなる、センスがなくて上手くない。センスの発掘こそが練習だ、と。ただそれは間違っててたぶん実際には、(今までの話としては非常に逆説的だが)スマブラという技術を習得していくということのほうが近いのだと思う。ある程度の時間をかけて、勝ち方を蓄積し試行錯誤から学んでいく。それはちょうど絵を描けるようになることと似ているのかな、と。そういう意味でスマブラを頑張ることと絵を描けるようになることは同程度の人生の選択肢ということになる。どっちの技術が習得したかな? と。はて、僕はどっちのほうが好きなのかなあ、と。
 だからこうして走るのを一旦やめたのであった。そしてこれから改めて、いろんな世界を見てきた上で、自分がどういう世界で何を自己実現していきたいのか、ゆっくり考えていこうかと思っている。それがスマブラなのか絵なのかあるいは全然関係ない何かなのか。全く人生は楽しみなのかもしれない。もちろんそんなことはないのだけれど……笑

 以上、僕がスマブラをやめることになった理由でした。僕のプレイ時間の2000時間のうち1200時間くらいはたぶん「スマブラ研究」に費やしました。そういう意味で言ったら僕はあんまり努力しなかったのかもしれません。でもまあ、勝負なんて考えもつかなかったんだから、仕方なかったのかな……。むしろここから、頑張っていきたいと思います。やるぞ~!
 最後に謝辞を少しだけ。僕の練習に付き合ってくれたばかりでなく、僕の面倒くさい性格にも愛想を尽かさず付き合ってくださったTwitterの方々や、研鑽部の皆様には感謝してもしきれません。ありがとうございました。特に、僕にたくさんのゲームについての考え方を教えてくださったアイディさん(@ID141126)には本当に感謝しています。僕がこうしてゲームというものについて前向きに考えられたのはアイディさんのおかげです。本当にありがとうございました。
 では、また、どこかの世界で会いましょう。ボン・ボヤージュ!

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おわり

チラ裏:スマブラSPのシステムへの所感と不和

 以上、スマブラをやめた理由について、純粋に勝負というものが苦手で結局趣味として勝負自体を楽しめなかったから、という話だった。いや実際僕がスマブラをやめた理由の本質はそこなので別に他の話というやつはあんまりないのだけれど、ではスマブラのゲームシステムには何も異存がなかったか、と言うともちろんそういうことはない。おそらくは僕が勝負の世界にあってないということに加えて、スマブラというゲームシステムにあんまり適合できなかった、つまりは楽しめなかったという面も少なからずあったのかな、とは思っている。ただそのことを書くのはなんだか恥ずかしくてダサくて、はばかられていたけども、でもやっぱり書くことには意義があると思うので、自分がスマブラについていけなかった話について書いていこうと思う。スマブラSP新規勢として、順風満帆で乗り出した人間が、どう葛藤しどう挫折していくのかの1つのサンプルケースになる、かもしれない。
 下記の内容は「頑張ってもVIP到達程度」の弱い人間が感じた主観的な話であって、スマブラの真理や構造を的確に突いた碩学の発言などでは全く無い。SPから初めて1年、僕はこのゲームにこう感じてこういうものが見えてきました、というだけの話である。「まあこう見えるような人は所詮VIP止まりだ」と言われればそのとおりとしか返せないし、実際僕はそれより先の世界は見えなかった。これが「才能」というやつなのかもしれない。わびし。まあ一応1年も真面目にお付き合いした上での話なので、全く浅瀬だとあざ笑われてしまっても少し寂しかったりする。ゆえに話半分に、「初心者ってこんな感じか~」と思ってみてもらえるのが幸いであろう。

 スマブラというゲームは確かに神ゲーだった。どんな人とプレイしても楽しめるようになされている設計はその有能さを節々に感じるし、綺麗なグラフィックもキャラの個性も十分、アイテムもステージもよく作り込まれており、対戦ゲームとしての出来は本当に最高峰といっても差し支えないゲームであると思う。だがその一方で、自分がガチ志向のプレイヤーとしてのめり込んでいく中で、どうしてもやっぱり好きではなかった、つらかったな、と思った要素がいくつかあったのも事実だった。それは、別にバカみたいにでかくて邪魔な「READY GO」とか、毎回キャラ選ばされるとか、誰かとのルール統一されてないとか、そういう話ではない。ラグのストレスでさえもない。ゲームの設計思想、このゲームの「全キャラ平等であるべきという設計」の話、そしてそのことから起きる「負け方のつまらなさ」である。

 本作は80キャラという常軌を逸したキャラ数を擁する対戦アクションゲームなのだが、それだけのキャラ数がいるとキャラ調整というやつは非常にデリケートで難しいものになる。正直どうやってもバランスというものは取れるようで取れないし、誰かが必然的に強くなりすぎるということは当然起こりうる話だろう。だが、本作はそんな無理難題を目の前にしながらも、驚くほどバランスが良い。確かに強いキャラというのもいるが決して環境に一極集中しないし、80近いキャラがいながらどのキャラもオンラインをやっていればある程度は見ることが出来るのは全く神がかり的な調整と言わざるを得ないだろう。だが、一方でこの芸術的な調整がむしろ面白さを損なっていたのではないかと感じることが僕には少しあった。
 それは1つは「擦り技の性能過多」、1つは「垂直的平等主義の面白くなさ」である。どちらも僕の主観的面白くなさであって、システムの問題というものではない。言ってしまえば将棋をやってて「香車が後ろに進めないのがつまらない」といっているようなもので「じゃあやめろよ」と言うだけの話である。はい。

 まず「擦り技の性能過多」という話から始めようと思う。一般に対戦ゲームのキャラ調整において、バランスを取ろうと思ったとき、そのアプローチは2種類あると思う。1つは全キャラにバランスの良いステータスを与えることで一極化を防ぐというアプローチ、もう1つ全キャラに非常に尖ったステータスを与えることでチャンスを与えて結果として一極化を防ぐというアプローチである。どちらも一長一短だが、前者は本当に安定した環境になりやすいというメリットと地味になりやすいというデメリットが、後者はゲームとして派手になりやすいというメリットと壊れすぎた部分が発生して安定しない可能性もあるというデメリットがある*1
 では、スマブラはどちらでアプローチしたのであろうか、僕は後者であろうと思っている。実際これだけの数のキャラで純粋なバランス志向というのは難しいと思うし、ゲームとして売り出すときに前者のような地味なアプローチを取るほうが間違っているだろう。そういった設計思想はむしろ正しいと言えるし、実際それがかなりよく成功している例としてスマブラを挙げてしまってもいいのではとさえ思う。
 さて、この後者のアプローチ(これを「みんなズルくてみんな良い」、と端的に言うことにしよう)で調節をするにあたって、本作は各キャラの何をズルくさせただろうか。僕が思うには、それはとにかくいろいろな技のリスクを徹底的に、かなり小さく設計することで攻めの強いゲーム設計を追求したことだと思っている。言い換えればだいたいどのキャラも擦り技とよばれる*2強力な先手を取れる技を持っているということである。
 このゲームに於いては、とにかく確定反撃という概念はかなり抑えられて設計されていた。いわゆる強攻撃や空攻撃といった、システム上ローリスクローリターンな技はもちろん、スマッシュ攻撃のようなハイリスクハイリターン技さえも、反撃がとても難しいということが非常に頻発して起きた。もちろんガードが強すぎて「攻めたほうが負け」というゲーム設計は全く面白くないだろう。しかし今作のそれは少しやりすぎだったように僕は感じてしまった。
 例えば、弱百烈(弱連)という仕様的にはハイリスクハイリターンな技が存在するのだが、これが実際にはガードした場合そこから反撃を取るのがかなり難しく、事実上ローリスクハイリターンな技になっていた。僕はこれが心底気に食わなかったのだが、それは単にリスクが低いというだけでなく、弱連をガードされた際、ガードされた側は本来「ミスったピンチ!」と思って即座にガードされたことを確認し、少しでもリスクを抑えるために早急にその動きを止めて逃げる準備をするのが妥当な動きのはずが、実際にはガードからの反撃が非常に難しい設計になっているため、むしろ相手のガードを見てもお構いなしにパナし続けるほうがリターンが高いという謎の逆転現象が発生してしまう仕様になっており、ゲーム性として非常に疑問を感じる設計になっていたためである。一応ある程度(10発ほど)ガードしてから内回避で高いリターンを取ることが出来るのだが、これがいかんせん原理上は出来るはずでもかなり難しいし、というか体の大きいキャラは事実上無理だったり、回避を入れ込んだ結果2回連続で回避が出ちゃったりだなんだで、本当に厳しいのである。少なくとも片やAボタンを構わず長押し技を擦るだけの動き、片やそれを咎めるために、かなり上手いタイミングで回避を入れるか、読み合いを制するか、あるいは諦めるか、というような設計は僕個人としては非常に歯がゆいものだった*3
 こういった設計は随所に見受けられる。パルテナ最強技の空Nは着地隙こそ長いもののガードに擦られてしまったら、キャラによっては最終段をジャスガするしかなかったり、それこそそもそも無理だったりで、ありえないくらいのハイリターンローリスク技と化す。こっちはただ適当に空Nをふっているだけなのに、である(実際には引き行動に弱いのだがまあそういうことではなく)。あるいは、Mr.ゲーム&ウォッチにひたすら上B空下をされたとしてそれにしっかりと対応するのに必要な読み、知識、技はどれだけのものだろうか。
 要するに、擦り技があまりにも強すぎるということ、そして擦り技のダンスムーブのお手軽さに対して相手側の対策が難しすぎる、ということである。それらを理解した上位プレイヤーからしたらそんなの対策できて当たり前かもしれないが、これからガチ勢として頑張るぞ、という初心者から中堅くらいまでのプレイヤーにとってこのバランスというのは本当に辛い。多少の努力程度では、依然擦りのほうが強いという状況がナチュラルに発生するのだ。初めて2ヶ月くらいの頃だろうか、かなり頑張ってきたはずなのに結局カービィの上B連打に勝てない、となったときは本当に絶望感が半端なくしばらく本気で落ち込むほどだった。ただでさえ勝敗でしか成長を測れない勝負の世界に於いて、この事の絶望感というのは半端ないものがあるのだ。
 しかもこれは、ラグのあるオンライン環境ではさらに地獄が加速する。見えない、取れない、間に合わない、ただでさえ上がったゲームスピード、発生3Fの技が跋扈し飛び道具の弾速も非常に速い世界での6F遅延の大きさ、というのはものすごい恐怖である。
 加えてこれは仕方のないことだが、このゲームは80キャラもいることからそういったこすりに対してのキャラ対策の知識が非常に成長させづらいということが発生する。1度負けたキャラでも次に会うのは50戦後、1日後、なんてこともよく起きる。僕がただ対戦するだけでは全然強くならなかった一番の原因は、個人的にはキャラ対策に目が向いづらかったことなのかな、とかなり反省している。実際これらの「擦り強すぎ」問題は、キャラ対策こそが1番の特効薬だと思うのだが、結果としてそのことに目が向きづらい設計になっていただろう。これは別に仕方ないことだし、別に不満ということではないのだが。どちらかと言えば反省する点である……。
 いずれにせよ、まあこういうことである。擦りのほうが強いというのは何も負けて悔しいというだけでなく、勝ってもどこか釈然としない、楽しくないということにも繋がってしまうことがある。僕の場合、結局パルテナで空N擦ってるときが1番強かったのではないか、といつまでも釈然としない気持ちがあり続け、結果コンプレックスが膨らみ続けた(実際多分、僕はそうでしかなかった)。このコンプレックスは結構強い悩みを感じるのだが、その一方でそこから抜け出す方法がなかなか見つからず、結局対応できる人には勝てないけど現状維持のために擦り続ける、という非常に醜い姿を長らく晒すことになった。いつまでも擦るだけの弱い自分は嫌だ、でも擦らずに戦えるだけの強さが自分にはない、と。そしていつしか、ただ自分がかけてきた時間は、単に擦り方だけうまくなっただけで、スマ力なんてちっとも着いてなんかいなかった、と気づく。そして、それがだんだん怖くて、わからなくなって、辛くなって……勝負から少し逃げ出してしまうのである。僕の場合は中途半端にパルテナ以外のキャラを触ったり、トレモばかりにこもったり、なんていう負のループにハマってしまった。
 これは僕が良くなかったに違いない。もっとしっかり向き合うべきだったのだろう。でも結局何からどう向き合えばいいのかわからなかったし、実際これは右も左も分からない状態からこのゲームを始めた人が、行き着きやすい1つの沼になっているのではないかとは思う。そういう意味でなんとなく、擦り合いというゲーム設計が好きじゃないと、逆恨み的にも感じてしまったのであった。
 以上が「擦り技の性能過多」という話である。実際僕が「そこから先の世界に行けなかったのが悪い、システムのせいにするな」と言われた返す言葉もないのだが、まあ擦りが強い世界が結構長いこと広がっている設計は、やっぱりどこか好きじゃなかったかなくらいの話はちょっとしたいかなと思ったりする。弱い人の世界の見方はこうなのだ(僕だけかもだけど)。本当はきっと、そこから先が一番面白い世界だったのかなあ、とは思う。思うのだけど、わからない。少しもったいないのかもしれない。でも、結局僕は勝負がわからなかったし、いちばん大事で、いちばん面白いはずの読み合いができなかった人間にはここまでが限界なのかもしれないのだろう。あな、わびし。

 さて、もう一つの話「垂直的平等主義の面白くなさ」ということを書いておきたいと思う。これは、上記の話よりも更に好みの問題であって、本当に「僕が個人的にあんまり好きじゃなかった!」というだけの話である。
 本作スマブラSPはとにかくキャラのバランスを良くしようという努力が非常に感じられる。それは本当に良いことだと思うし、なんの反論もないしできない。できないのだが、個人的に思うこととして「キャラ設計やシステム上、本来ある程度のところで天井があっても仕方ないはずのキャラを、なんか無理にシステム上強いはずのキャラと同じ土俵に乗せようとした結果、キャラ設計や調節に些かいびつなことが起きているのではないか」と感じることがあったりなかったりする。
 そもそもキャラになぜ優劣が付くのかと言えば、それはもちろん能力差があり、ゲームに対する適正が違うからである。身長の高い人はバスケで有利だが、かくれんぼでは不利であろう。ガノンドロフはタイマンでは弱いが乱闘やホームランコンテストでは非常に強力だ。キャラランクの差というのは対戦という1つの指標での適正の差であって、それはある意味、ゲームがゲームとしてある以上ある程度は仕方のないことである。であるはずだが、もちろん本作はとにかくバランスに注力しているため、そういった差も極力埋めるように設計している。
 そもそもタイマンで強いキャラがなぜ強いのかと言えば、それは基本的には読み合いが有利に進めやすいことというのに尽きる。それは純粋に差し合いが強かったりリターンのとり方が華麗だったりするわけなのだが、どちらにせよベースとしては高い操作精度や鋭い読みの感覚といったものが要求されるキャラが強い傾向にあるはずである。というか、僕個人としてはそうあって欲しい、そうであるからこそ努力するモチベーションになるというところがある。
 なのだが、全キャラの性能をある程度均すべきという思想はある意味でそれを否定する設計になる。実際、差し合いの強いキャラの多くはその武器を取り上げられる調節を受け、一方で差し合いがしづらいキャラにはかなりの強化を施すアップデートが続いてきた。詳しいバランス調整のことはよくわからないし、実際明らかにひどかったガード漏れだったり弱すぎる復帰だったり等々が修正されるというのは良いことだと思うのだが、特に直近のアップデートは個人的にはかなり「面白くなさ」を感じるようなアップデートだったと感じている。この方針が続くのであれば少し寂しいなあ、と思うところが個人的にはあったり、と。
 以下の試合は、僕の感情を非常に掻き立てる試合内容になっている。僕がこの試合から感じるのは、「切なさ」と「儚さ」だ。仏教的無常観に訴える試合風景なのかもしれない。

(この後シールドが割られたルキナは、クッパの最大ホールドスマッシュを受けてそのまま敗北する)
 いや、別にそういうゲームだと思えばいいと思うし、負けるほうが悪いのかもしれないが、なんか、つらい。とてもつらい。
 とはいえこれは僕ぐらいの初心者の視点だし、どんなキャラも一流の使い手になるには想像を超えた努力が必要なのは当然だし、そういったことを否定しているわけでは全く無い。何よりも結局上に登れば登るほど差し合いが強いキャラが依然として強いという事実があるわけだし、これはあくまで浅瀬に住むものの見ている見方である。ただ僕は、このままの平等主義が続くことにはあんまり期待をしていないということである。本当に個人的な意見だ。なんか、好きじゃないのである。
 以上が「垂直的平等主義の面白くなさ」ということであって、かなり個人的な好みの話である。この感情はスマブラよりもSwitchのマリオカート8をやってるときに強く感じていて、マリオカート8はドリフトや難しいショートカットを決める軽量級よりも、とにかくミスらないように安定した走りだけをする重量級とでそこまで性能的な差異が発生しない設計になっている(それどころかアイテム性能の過剰な性能から対戦環境では重量級のほうが強いと思う)。そんな設計になっていたら、わざわざ軽量級のマシンで難しいことをする必要なんて無いし、だからあんまり面白くないと思ってしまった。重量級マシンは操作性が悪いためそういう難しさはあるのだが、まあ要するに僕の求める難しさではなかったのかもしれない。

 さて、以上2つの僕が感じたスマブラの辛さであった。これらの辛さによって最終的に感じた問題点は、負け方が絶望的に面白くない、と感じる試合のかなりの多さである。とにかく負けたときに感じるのが、「なにかズルをされたような感覚」ばかりになってしまうのだ。それが間違っているとはわかっていても、である。ゲームというのは特に負けたときに納得感がないと楽しめないと思う。勝った側はかったからこそいい気持ちでいられるが、負けた側は負けという結果を受け止め、それをどうにかして次につなげたいと思う。そう思ったときに、最初に目につくものが「理不尽という感覚」であるのなら、それはやはり面白いと感じられなくなってしまうであろう。そういう意味で僕は、こういった設計が納得感を曇らせる重圧として、どんどんとのしかかって来るように感じられてしまった。そしてある時を境に、何かがふっきれたように、僕はスマブラを完全に楽しめなくなっていたのだった。勝っても負けても何も感じられない、そこにあったのは疲れ。だから僕は、スマブラをやめた、のかもしれない。

 と、以上、システム面で楽しめなくなってしまったという引退の話だった。僕としてはこれらの理由は二の次の、後からの理由付けであって本質的なものではないのだが、でもまあそういうふうに感じていた事自体は事実なので一応正直に書いておくのもいいかなと思ってせこせこと書き連ねたのであった。弱いというのは、成長できないというのは悲しいことである。楽しかったはずのものがどんどん曇って見えてくるのかもしれない。
 まあいずれにせよこうして、別の視点で振り返ってみたのもなんだか悪いことではなかった気がする。正しい間違っているではなく、思考の整理ができて自分の中で感じていた蟠りをだいぶほぐすことができた。この不満をしっかりと言語化し、見つめ直して、その上でどうしていくか、と考えるほうが、いつまでも漠然と不満を感じたまま煮え切らないよりよっぽど良かったのだと思う。これらのことにしっかりと自分で反省と反論ができたのなら、また楽しめるようになる、のかもしれない。
 ただまあ、とりあえず、僕は1年間自分としては真剣に向き合ってきたスマブラをやめることにした。勝負というものがどうしても向いていないと感じてしまったから。勝負というものがどうにもつらくなってしまったから。ただ、勝負の世界を自分の足で歩いてみてきたことは悪いことではなかったのだと思う。思うことにするのである。とにかく、またリフレッシュして、次はもっと強い自分になりたいなあ、と思う次第である。

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おわり
 

*1:この後者の調整は実際かなり難しくリスキーでもある。例えばシャドウバースというカードゲームは、後者のアプローチで調整を行っていたのだが、特に環境第5期でこのアプローチに失敗し、大変な一極環境が発生した(通称頭ワンドリ)。ゲーム環境が荒れに荒れ、結局キャラ調整をほとんど1からやり直すほどの修正をする羽目になった(ユーザーはおそらくこの時期にかなり減った)。この調節方法の難しさとリスクを表す話である。

*2:僕は中心差し込み技と呼びたかったのだが

*3:ちなみにこの対策はsmashlogに記事があるので困ってる人は参考にしよう 【スマブラSP】反撃困難!?百裂攻撃の対策方法 | Smashlog

ブログを書くちょっとした理由のはなし

 なんとなくブログを書く理由についてメモ書きをしておこうかな、なんて。

 僕は割とブログを書くのが好きだ。じゃなきゃ40000文字だとか35000文字だとか20000文字だとかお金も一切はいらず、かといって名誉としてもどこまで得られるかというものに労力を割いたりはしない。単純に好きで書いているというところがある程度あるのだけれどその一方で義務感というか使命感みたいなものがなくはなかったりする、それについて少々話をしよう。
 僕がブログを書く「好き」以外の1番の理由は「誰かの役に立って欲しいし、絶対にたつはず」という狂信のような確信である。これは単純に「好きなものを推薦したくなる感覚」あるいは「過去の自分が欲しかったものを自分が作っておこう」という開拓者精神のようなもので、わりと純粋な「気持ち」の部分である。僕が講座系のブログを書く際最も意識しているのは「このことを知らなかった過去の自分が一番知りたかったこと、欲しかった記事を書こう」ということで、そして同じように悩む人に届いて欲しいと思っている。実際届くは実のところはわからないが、「過去の自分が欲しかったもの」を意識することで文章が書きやすくなるし、一番役立つ形になりやすいかな、と信じている。
 それとは別に、少し歪んだ、変わった理由として、「記念碑を建てておきたい」という考えがある。それについて書いてみたい。
 これは言いかえると「自分の努力の成果を何ら頭の形で残しておきたい」という気持ちのことである。極端な話僕は自分が本気で明日死ぬかもしれないなあ、という漠然とした意識があったりする。何も江戸時代の侍というわけではないのだけれど、でも漠然として「諦め」のようなものがあって、終わりの意識が常に渦巻いている。あるいはそこまででなくても、明日突然スマブラをやめるだとか、明日突然家が焼けるだとか、そういう突然の終わりみたいなものはいつでも意識にある。そういう中で、明日当然やめてしまったときに「何も残らない」ような感覚というのがとにかく怖い。せっかく考えたのに傍から見たらただ遠回りしただけで終わりという状況が、あるいは未来の自分が見たら何もしていないと感じるような状況がとにかく怖いのだ。だから、そうならないためにせめてもの思いとして、なるべく記録を残している。何か記念碑を建ててそして次につながる選択を探しているという感じだろうか。
 言うなれば、なにも残さない状況というのは、セーブをせずにRPGを続けるようなそういう恐怖感なのだ。停電が来たら、コンセントが抜けたら、寝落ちしたら、バグったらそれですべて消える、そういう感覚の中だととにかく落ち着かないし、結局ゲーム自体にもにも集中できなくなる。だからブログを残すのだ。それはちょうど、ポケモンの「レポートを書く」感覚に近い。ノーセーブは2週目以降の縛りプレイですべきだろう。
 だからそういう意味でブログを書いている面がある。なんともみっともないのだが、そういうわけでブログを書き終えると一瞬すごい「ああ、安心した……」というんメンタルになる。ある意味すごく生の実感がある瞬間だ。
 でもまあ、こういうふうに常に記念碑を建てる意識っていうのはある程度合っていいのかなって思っている。何かが残るというのはとても良い。それが仮に無価値だったとしても残るのであれば次に繋がる。そういうことに無常の喜びを感じるのだ。
 だから僕は多くの人の創作や、記録というものがとても好きだ。極端な話みんなになにか書いてほしいと思っている。もちろんそれは面倒だしかんたんなことではないのだけれど、そうすることで得られる達成感に隠れた安心感のようなものはなんとも言えぬ良さがある。
 こうしてその気持をブログに書いているのも記録としての意図である。将来もっと安心感をもって生きられるようになったら「こんな馬鹿なこと思ってたなあ」なんて笑える日が来るかもしれない。それは嬉しい成長であろう。というわけでそんな雑記である。何のオチもない話だが、僕としては書けて嬉しいのでこのへんで1つ終わりにしよう。次のブログ、書けるといいなあ。

 以下ちょっと愚痴というか、ぼやきのようなものを。僕は色々何もかもなるべく論理的に考えて分解して解釈して、という操作をどんなものに取り組むときにも執拗に行うのだけれど、それをしてなおまじで弱い。本当に悲しくなるくらい弱くて、僕よりも直感的でなおかつうまい人が無限にいることを実感している。もちろん各々が色々と自己的な理論をしっかりと持ち合わせているのはわかるのだけれど、それにしてもなお、自分よりも直感的で自分の100倍うまいみたいな感覚がそこかしこにあって、それはとても悔しい。本当に。いちいち理論的な自己解釈をせずただ、純粋に上手くなれたらどんなに幸福かと思い続けている。
 ただ、結局自分にはこの方法しかないとも思っている。自分はどうやってもインスタントに上手くなれない。不器用でどうしようもない人間なのでそういうことを織り込み済みで、自分の最適解を探していくしかないのかな、と。これは難しい問題だけど、結局自分が最強になれれば、「自分のこのスタイルが実は最適解だったぞ!」なんてドヤ顔できる日が来るかもしれない。そんな日を夢見ながら今日も試行錯誤を繰り返すのである。この人生は夢だらけ、だ。

スマブラ基礎理論研究ノート ~VIPまでとVIPから~

 久しぶりの更新。前回のブログishtarvenus.hatenablog.com
のささやかな(個人的)大ヒットから随分が経ったが、その続編として最近考えるスマブラの上達の仕方について自分なりにまとめていきたいと思う。講座や解説というよりは私的研究メモ、研究ノートといった手合いのものでやや書き方がぶっきらぼうではあるが、自分なりにここ3ヶ月近くで考えてきたことや学んできたことを理論として再構成したので、前回を超える40000文字とかいうすごい量になったが適当に読んでもらえるとたいへん嬉しい。

 今回考えたのは「試合中に考えるべきこと」、「立ち回りを強くするにはどうするか」といったことなどで、それを理論的にどう切り詰めていくかを深く自分なりに追求した。スマブラの上手さには大きく分けて、「知識」、「操作精度」、そして「立ち回り」の3種類があると思っている。
 「知識」は仕様理解やキャラの動きを知ること、コンボを知ることなどで、スポーツで言うなら対戦分析や、ルール理解、情報収集と言った部分に当たる。動画配信や各種サイトなどでも非常に学びやすく、努力にも比例しやすい部分だろう。
 「操作精度」はコンボ火力や複雑な操作をミスらないことなどトレモが物を言う世界で、スポーツで言えば筋トレや素振りのようなものだろう。こちらも練習に比例しやすくやるべきこともわかりやすく、やっていけば自ずと成長できる部分でもあるだろう。
 ところがこれら2つをいくら鍛えても最後の要素「立ち回り」が弱いとどうしようもない。「立ち回り」というのは、対戦の中の読み合いの妙を理解すること、相手の傾向を読むと言った実戦的部分で、スポーツで言いえば試合で勝つための読み合いや駆け引きの部分だろう。筋肉がいくらあっても、知識がいくらあっても実戦経験のない乏しい状態ではどうやったって勝負に勝つのは難しく、そういう意味ではゲーム性の肝になる部分である。
 しかし、これは非常に大きなウェイトを占めるものの、何をどう練習すればいいのか具体的なプロセスが非常に分かりづらい。知識や操作精度に比べると誰もがなんとなく、「数をこなしていくしかない」という漠然とした期待とある種の諦めを持って望んでいる部分のような気がする。
 だがやはり、それだけでは厳しい。ただ数をこなしているだけでは立ち回りは強くならない場合が多い。自分は1000試合して全く立ち回りが上達しなかった苦い経験があるが、毎日何度も文字を書き続けているのにも関わらず全く達筆にはならないように、漠然とやってるだけでは上達しないもの、というのは確かにある。そしてスマブラにもおそらくそういう部分がある。意識をしないとだめなのだ。では何を? どうやって意識する? それが今回の焦点になる。
 今回語りたいのはこの「何を意識すべきか?」、立ち回りをいかに鍛えるかの部分、「スマ力」とタグ付けされそれより掘り下げられることの少ないダークマターの正体をなるべく詳細に、それがどういう考えなのかを理論的に分析することにある。「スマブラ原論」*1を作りたい、とでも言うべきだろうか。あるいは過去の名曲を分析して生まれた音楽理論のようなものをスマブラでも作りたいと言い換えてもいいかもしれない。

 自分がこのことを意識したきっかけは、悪い言い方をすれば色々なキャラを触りながら格下(だと自分が感じる)相手に翻弄されまくった経験から来ている。このゲームは読み合いのゲームであるが、真の読み合いとはあくまでじゃんけんでしか無く、もし仮にただのじゃんけんであったら誰しも勝率は5割にしかならない。しかしもちろんそうなっているわけではなく上手い人は勝ち続けるわけでそこにはギャップが有る。それはじゃんけんではなくグリコだから、上手くなるについれて読みが冴えるから、といった説明をなされることが多いが、例えば崖上がりで、着地で、ダウン展開で、シールドのお見合いで、そういった箇所で毎回必ず読み合いをせず、全くランダムにサイコロで択を選んでいる相手がいたとして、おそらく上手い人であればそういった読み合い放棄にもやはり高い勝率を維持できるだろう。そういう意味ではじゃんけんとはある種かけ離れた部分も大きい。読み合いの前にすでに上手い人と下手な人とでは差が出ているからである。相手が読み合いに参加してくれないとしても勝てる力、読み合い以外の部分で勝つ力、読み合いを自分有利にセットアップする力、そういった部分を鍛えていくことが勝率につながるのだと思う。突然のスマッシュブッパにいつまでもストレスを感じている場合ではないのである。静的なゲームメイクというものを模索し、実践できる力が必要なのだ。それを考えていきたい。さらには、「試合中に頭を使うとは何か」、「成長するにはどうすればいいか」といった部分を結論として話を進めていく。今回書く内容は単にプレイする上でだけでなく観戦する上でも「プロや上級者はどこがどう上手いか」を客観的に分析する上でもある程度意義があると思っているので、そういう意味でも役に立てばとても嬉しい。

 以下の理論や考察は全て僕個人の見解としての未完成品であって、より深い識者の意見を請いたい部分も多数あるがあえてこのまま記事にしてしまう。このブログが何かしらの参考に、あるいはたたき台になることを願っている。

1. 展開の分類

 スマブラのゲーム展開は非常に早く目まぐるしいが、それらは大きく分けて3種類に分類できると思っている。まずはそれについて考察してみたい。具体的には、以下の3つがあると思っている。

攻めの展開(Offense)
相手に1撃入れて崖、空中、崖外といった不利状況を背をわせている状況。「F展開」と呼ぶ*2
ニュートラルの展開(Neutral)
どちらも1撃をいれず、差し合いのニュートラルな状況。このゲームの要。「N展開」と呼ぶ。
守りの展開(Defense)
F展開の逆。相手にF展開を作られた状況。崖、空中、崖外など。不利。臨死。「D展開」と呼ぶ。

 単に形式的に分けているのではなく、それぞれの展開ごとに考える内容、読み合いが違い、それらの頭の切り替えができないとベタ降りの判断ができない麻雀打ちのように破産しやすい。

1.1 F展開(Offense)

 有利状況。なるべくこの展開を維持することでバリュー(ダメージやバースト)を稼ぐ。相手の逃げ方を覚えることでよりダメージが稼げる。フェイントやすかしなども有効。この状態にすることで大技、バースト技が当てやすくなる。これが上手いと魅せられるので練習したくなる。F展開を作ったときにどういう動きをするかは予め考えておけるとバリューが取りやすい(非確定コンボの設計)。いわゆるダブルアップなどもこの展開から発生しやすい。
 体感だが若い層はここが強い人が多い。
 特に多くのキャラの下投げからの展開は最もわかりやすいF展開を作られるので良い勉強になる。
 ポイントは「いかに攻め続けられるか」

1.2 N展開(Neutral)

 有利不利のない状況。さらには牽制(差し込み)側と待機(差し返し)側に分けられる(詳しくは後述)。お互いに技を振り合ってなんとか1撃を当ててF展開を作りたい状況。この展開からいきなりバーストを技を当てるのは難しい場合が多い(投げバなどの例外も多数あるが)。
 上手い人は何よりここが上手い。が、ここは簡単にはうまくならない部分でもある。F展開の維持力を鍛えるほうが簡単かもしれない。しかしいずれ向き合わなければならない部分でもある。この展開をスキップできる、ごまかせるキャラほど初心者に向いていると思われる(優秀な飛び道具、強力な差し込み技などいわゆるセットアップや擦り技)。
 ポイントは「いかに展開を作るか」

1.3 D展開(Defense)

 不利状況。崖外や空中などリスクリターンが悪い読み合いを強いられたり、選択肢自体が少ない読み合いを迫られたりする展開。ここでの立ち回りは特に個々人の癖が出やすいと思っている。この展開での第一目標は常にN展開への復帰であって、相手の攻めにリスクをつけることではない。いわゆる最低リスク択を最も要求される部分。
 ベクトル変更、ヒットストップずらし、相手の狙っている大技といった知識が非常に活きる面であり座学が重要になる。ここが上手い人はバーストがとにかく取りづらく硬いプレイヤーになる。
 ポイントは「いかに展開を阻止するか」

 まずは今がどういう展開かを意識できるようになるとゲームそのものが「見やすく」なると思うのでその部分から始めていきたい。
 以上の上で更にこの上で読み合いを分類していく。これによりさらに展開を読みやすくなる、と思う。

2. 読み合いの分類

 次に読み合いの分類を始めよう。このゲームの根本は「読み合い」であるがそれを細かく分析すると、上記の3種類展開に合わせて択の配分がEvenな場合とOdd場合の6種類に分類できると思っている。まず、EvenとOddについて書く。

均等(Even)な読み合い
ただのじゃんけん。相手がどの選択肢も均等に選べる読み合い。あえて言えば読み「合い」になっているケース。崖上がり、復帰などはこのパターンが多い。技の後隙もこのパターンが多い。この読み合いはあくまで成功率が5割に近いため、必然的にこの読み合いが多いほど勝率が5割に近づく。この読み合いに依存度が高い戦法は勝率が安定しづらい。「E読み合い」と呼ぶ。
不均等(Odd)な読み合い
グリコゲーム。相手の選択肢がどれかの択に偏る読み合い。ある択に非常に大きなリスクがつく、入力難度や反応速度から事実上選択肢がない、相手に強烈な癖があるなど、様々。大きく「展開による要因」と「癖による要因」の2種類に類別できる。あえて言えば「読み合い」ではなく「読み」だけで択を当てられるケース。とにかくいかにこの読み合いを作るかが勝率に大きく影響する。「O読み合い」と呼ぶ。

 簡単に言えば、択を意識しているときに、どれを選ぶかがその時の気分、純粋な読み合いで決まりやすいような読み合いをEven、気分によらずある択を選びやすいような読み合いをOddと呼ぶ。

 この部分は伝わりづらそうなので更に補足を。注意としてEvenとOddは技や状況に依って完全に決定するわけではなく、対戦相手の状況(実力)によって変わる可変なものである。いくつか例を挙げよう。ガノンの横Bを考えよう。この技は、受け身を取った後、前転がりか後ろ転がりかの択が存在する。どちらにも多少のバリュー差があるものの、ケースに依ってはどちらを取るのも全くEvenになる。ところが横Bに受け身ができない相手にとってはこれは必ず下強が当たる読み合いであって完全にOddになる。これは程度の低い話だが、この延長としていろいろな場合がある。
 以上の話はEven→Oddの話だが、逆の「OddのはずがEven」というのはもう少し経験が多いかもしれない。たとえば、
「ここはさんざん誘導をしたし、こっちの択を選ぶだろう→選ばない、マジか!→なるほど深読みされたか、よしここはこっちだ→選ばない→なんやねんこいつ、おらブッパじゃ→当たった→読み合いしてくれよ……」「さっきはこれでバースト取ったんだから相手も学習してこっちを選ぶだろう→選ばない→マジかお前!!」「ここはこれが安定択なのだからまさかこんなリスキーなことはしないだろ→してきた、え、マジで?」みたいな感じである。読み合いのはずがむしろ、相手が「誘導をわかっていないから」、「択バリューをわかっていないから」、「盤面を理解していないから」、逆に勝ちづらい、というある種の腹立たしい逆転現象が起こる。ムカつく!! 悔しい!! だが、重要なのは、ここで「読み合いをしない相手に負けた!」というのではなくて、「こいつに読み合いを仕掛けてしまったのがいけない」と考えることだと思っている。それが勝率を安定させるということにつながる。
 これは例えば大会で残っていくためにも重要なことだと思っていて、以下は自分の経験談なのだが、以前シャドウバースというカードゲームをやっていた頃、大会に出るたびに予選の違った意味の過酷さみたいなのを感じた。それは初戦から優勝候補に当たったとかではなくて、「おまえそのデッキどう考えても優勝する気ないだろ」みたいなロマンデッキや極度なガチメタデッキ、趣味デッキを持ってくる人に予選とかで当たるときのことである。そういうデッキは例えば勝率がひどく運に依存したり、あるいは構築的にどう考えても環境で生き残ることが厳しかったりするのだが、その相手が何故か運良くロマンを実現してきたり、ピンポイントにメタが自分にぶっ刺さってきたり、あるいは既存型から逸脱していて崩されたり、といったことで口惜しくも勝利をもぎ取られたりする(お前が弱いだけとか言わないで。いやまあ負けた時点でそうなんだし実際僕は弱いけども)。別に向こうも真剣なのは百も承知であるし、環境デッキだけが全てではないのも理解しているし、相手が下手だなんて決して言うつもりもないのだが、トップティアのデッキ群との手に汗握る熱い読み合いと対戦を想定して構築を考えて練習して、という努力をしてきた身としては、こんなところで終わるのはあまりにも悔しく、虚しい。当然本戦にはそういう偏ったデッキは殆どおらずトップティア同士の闘いが勃発する。それを観戦席から眺めながら、「ああ、僕もあのトップティア同士の戦いに参加したかったなぁ」なんて感傷に浸る。何という青春の1ページだろうか。人生とは虚しいものなのかもしれない。だが、いろいろな人と当たるということはまあそういうことである。「(自分にとって)わけわからんやつに負けた」ではだめなのだ。
 要するにここ最終的に語りたいのは「いみわからんやつ」にも勝てるようになりたいうことだ。読み合いをしてくれない相手、デタラメな相手、自分とは違った軸を持っている相手、そういう相手に安定して勝てるようになることが勝率につながると言える*3
 で、このような考えのときに、相手が読み合いガン無視で適当に選べるような読み合いがEven、読み合いガン無視だからこそ誘導できるor読み合いガン無視でも当てられるような読み合いがOddということになる。
 そういう意味で本旨の後半の主題としていかにしてEvenをへらすか、あるいはEvenをOddにできるか、という話になる。ただとにかくEvenとOddとはそういう意味だとこ理解願いたい。

 以上をもとに読み合いは以下の6つに分類される。

  • FE読み合い
  • FO読み合い
  • NE読み合い
  • NO読み合い
  • DE読み合い
  • DO読み合い

 スマブラで有利読み合いという単語を使うとき自分側にリスクが少ない(F展開での読み合い)という意味でのときと、相手の選択肢が非常に少ない(O読み合い)という2種類が混同しているように思う。

2.1 攻め展開(F展開)での読み合い

 攻め展開(F展開)での読み合い。ベースとしてこちら側のリスクが少ない読み合い。
 FE読み合いは一見有利だがこの展開に依存すると勝率は安定しづらい。復帰阻止などは基本的にはFE読み合いで、相手は上から帰る択と下から帰る択がある場合が多く、どちらを選ぶかはじゃんけんになりがち(相手がすでにジャンプを使用していてルートが制限されているときなどそうじゃないパターンもある)。この読み合いを立ち回りの中で重視する際は、なるべく試行回数を稼げるように戦いたい。必ずしも最大リターン択や最小リスク択が正解とも限らないのが難しいところ。
 FO読み合いはリスクが少なく、相手に追撃をしやすい最高の読み合い。特にコンボ始動技や非確定コンボ始動技などを当てたときに発生しやすい。この読み合いを活かすことでコンボを相手に意識させつつあえてコンボを打たずさらに大きな技を当てる、といった動きができたりもする。これをダブルアップという。

具体例

FE読み合い
復帰阻止(展開次第)、崖狩り、着地狩り、起き上がり、ガノンの横B、ロボットスネークの下投げ等
FO読み合い
復帰阻止(展開次第)、低%下投げ等コンボ始動技を当てたときの展開、およびダブルアップ

2.2 ニュートラル展開(N展開)での読み合い

 ニュートラル展開での読み合い。お互いにリスクを背負い合う読み合い。
 NE読み合いはじゃんけんの極みという感じで基本的にこの展開は避けるべきだと思っている。じゃんけんはじゃんけんでありこの読み合いをする限りは勝率は5割に近づくだけになる。ただ上級者になるにつれて結局こういう読み合いで勝てるかどうかが勝利につながるのかもしれないと思う。ただ、このゲームが実力ゲーである以上、上手い人と100戦したら100回負けるゲームである以上そんな状況ははるか先の話な気がする。
 後隙の少ない技を相手がスカした後や多くのキャラの着地隙などはこの読み合いが起きやすい。無意識に狩りに痛い目を見ることになる。NE読み合いで何をすればいい変わらないときは基本的には最低リスクの択を選ぶのが良い。
 NO読み合いはN展開で最も重要な読み合いであり、これを作れ、これに気が付け、これに勝てることがスマ力の最も根幹だと思っている。NO読み合いはNE読み合いだったものが相手の癖で発生するパターンやそれを利用した誘導などが多いが、リーチ差のある差し合いや飛び道具撒きなどもある種のNO読み合いといえる。
 N読み合いについては非常に重要なためN展開の牽制、待機の部分で再度触れる。

具体例

NE読み合い
低リスク技の後隙、着地隙、その他お見合い展開など
NO読み合い
飛び道具やリーチの押し付けでの差し合い、相手の癖読みなど

2.3 守り展開(D展開)での読み合い

 守り展開での読み合い。自分側に一方的なリスクがある場合の多い読み合い。
 DE読み合いは復帰や崖上がりなどで、この展開では相手も択を断定しづらいため明確な読み合いの意識が発生しやすい。とにかく読まれないこと、そしてしっかりとNに戻すことを意識するのが重要である。また、この択でバーストを取られた際はあまり気にしすぎないことも重要な気がする。明らかな偏りがあったならまだしも、結果論的にやられた場合はじゃんけんゆえ仕方がないため、ひどくは気にせずそれまでの立ち回りの方を反省したほうがいいだろう。ただし相手の誘導の仕方だけはしっかり観察しておきたい。
 基本的には最低リスク択が本命択だという意識も忘れずにいたい。
 DO読み合いはコンボ展開に巻き込まれている状況や選択肢の少ない復帰等の臨死、大ダメージを食らうことが見えてる状態であり、この読み合いを作られてしまった以上覚悟はしなければならない。ベク変や誘導の癖、相手の狙っている非確定コンボなどをなるべく覚えて、それにリスクをつけるのが重要である。こういう状況を強制終了させる択を持つキャラは非常に守りが堅く、強キャラになりやすい印象がある(ゼロサムやジョーカーやシュルク、暴れの強い剣キャラなど)。

具体例
DE読み合い:復帰、崖上がり、着地、起き上がりなど
DO読み合い:相手のコンボ技に入れられたときなど

 一口に読み合いとってもどういう種類の読み合いであって何が狙いか、どれくらいリスクのある読み合いかをしっかりと判断し、なるべく自分有利なO読み合いを中心に読み合いを仕掛け、一方でやりづらいE読み合いや自分不利なO読み合いは参加しないようにするように意識すると勝率が安定しやすい。相手が「読み合いをしてくれない」と思う場合、立ち回りそのものがE読み合いに勝つことにウェイトを置きすぎている可能性があり、それ自体がある意味「勝率を下げる立ち回り」であることを意識して考え直すほうが良いかもしれない。詳しくは後述。
 最後に技の分類を考えておく。キャラ理解や立ち回りの構成などで非常に重要なるためここもしっかりと意識しておきたい。

3. 技の分類

 最後に技の分類を考えていく。技の分類というと技ランクのような話があるがあれよりももう少し機能的な面での分類を考える。
 攻撃技には大きく分けて3種類があると思っている。差し込み技、差し返し技、決め技である。それぞれの特徴と役割は以下のようになる。

差し込み(牽制)技
とにかく低リスクで気軽に触れる技。また当てた後の展開が美味しい技。F展開を能動に作りに行く技でありまた相手に見せることでなにかの行動をおびき寄せる技でもある。飛び道具は便宜的に差し込み、牽制技に入れている(遠距離で振ることで低リスクに扱えるため)。
差し返し(待機)技
発生が早かったりGC(ガードキャンセル)から発生できる技。また、判定が比較的硬い技。
決め技
バースト技や高コンボ始動技など、バリューが高いが発生や範囲に癖がある技。普通に振っても当たってもらえず当てるまでの展開を作る必要がある技。

その他にも一応分類するなら

死に技
基本的に立ち回りで使わない技
その他
復帰技、チャージ技、設置技など

を加えても良い。
 まず自身と対戦相手のキャラ理解としてどの技がどういう役割を担うものなのかを考えておきたい。例えば自分の持ちキャラであるパルテナルキナについて自分なりに考えてみると、

パルテナ

差し込み技
空前、空N、空後、(DA)、つかみ、NB、横B
差し返し技
空N、空後、DA、つかみ、弱
決め技
各スマッシュ、横B、空後、空上、空下、下強
死に技
横強、上強、(下強)
その他
上B、下B

ルキナ

差し込み技
空前、空N、空下、横強、下強、上強、つかみ、NB
差し返し技
空N、空前、空後、つかみ、上強、上B、横B、上スマ、弱
決め技
各スマッシュ、空後、空上、空下、NB
死に技
DA
その他
下B

という感じだろうか。もちろん厳密に分類できるようなものではないが、自分の立ち回りを意識する上での指標になり、相手の立ち回りを分析する上での一つの指標になるだろう。
 基本的に、差し込み技や差し返し技、およびそこからのコンボからバーストを取れるキャラはバーストが簡単、という部類のキャラとも言えるため扱いやすい。

3.1 中心差し込み技

 技の分類において、特に「中心差し込み技」、言い換えると「擦り技」は最重要な項目である。中心差し込み技というのは、各技の中でリスクが特に小さく誤った反撃にリスクを付けられる技、リスク・リターンのレートがやや壊れている技のことをいう。低リスクというのは単純に後隙が短いだけでなくリーチが長かったり、めくりができたりといろいろなパターンがある。大抵のキャラは1つくらいはこの中心差し込み技を持っているはずなのでそれをまずは確認したい。
 中心差し込み技は非常に強力で、これを起点にしてキャラの立ち回りが設計できる。使う際には立ち回りの中心としてN展開で見せびらかし誤った反撃や偏った逃げ方などを待ってバリューを取る、使われる際には発生を潰したり技の後の後隙にある読み合いに勝って相手の立ち回りを崩すことを意識したい。
 中心差し込み技は基本的には付き合ってはいけない技であって、相手キャラのどの技が中心差し込み技か、は何よりも最初に考えたいところである。これがわかっていないと永遠に「わからん殺し」をされ続けることになる。

 以上のように技をある程度意識的に理解しておくとキャラ理解がしやすく対戦相手のいる際も対策が組みやすい。まず相手の中心差し込み技とよく使われるバースト択を把握するところから始め、できるならそれの解答を用意できるようになるとわからん殺しがされづらくなりゲームがしやすくなるだろう。
 以下では一旦幕間としてガードと回避についての話をしておく。

4. ガードと回避行動

 以下からN展開についての話をしたいのだがその前にガードと回避についての話をしておきたい。一言で言えば「ガードは(強いけども)弱い」という話である。

4.1 ガードは弱い

 本作のガードは弱い。いや別に全く使えないという意味ではない。ガードしたところで結局損するだけ、という局面が非常に多いという意味である。それは、ガードからの反撃が非常に取りづらいという本作のシステムに準拠している。例えばガーキャンからのつかみは普通のつかみより4F発生が遅くなっている、ノックバックが大きすぎる、ガード硬直が長い、ガード漏れがある、そもそも全体的に技の後隙が少ない、ガードが削れやすい、移動回避が弱い、そもそもガード後にできる動きが少ないことなど様々な要因が考えられる。
 ガードからの動きが少ないというのは、ガードキャンセルでできることは

  • つかみ
  • 空中攻撃
  • 上スマッシュ
  • 上B
  • ジャンプ

しかないということで、上Bはキャラによっては死に択、上スマッシュはバースト対でしか振る意味がないことを考えると事実上掴みと空中攻撃しか無く、空中攻撃さえものぼりで当たるキャラは少ないため、多くのキャラはつかみしかない。めくりに対するリスクが全くつかない上に適当なリーチで振られた攻撃もリスクが付けられないということはザラである。つかみの発生が遅い場合全く何もないキャラさえいる。相手の攻撃をガードしたという本来有利な状況はむしろ不利展開を招くことさえ多いというのはしっかりと認めないといけない。ガードは弱いのだ。
 個人的にガードが弱すぎると最も感じる点は弱連をガードした際の反撃のなさだと思っている。これははっきり言ってやや設計ミスめいていると思っていて、結構な頻度で弱連をガードされてもそのままAボタンを押したままにしておけばノックバックと硬直で何も反撃がない。リスク・リターンの話からしたら流石に少しやりすぎな気がする。
 いずれにせよガードを強要される時点でベースとしてこちら側は択の少ない受動的な読み合いを形成されかねないという点は肝に銘じないといけない。逆に相手にガードを強要する動きを「固め」と呼び、特に牽制における重要な概念になる。どちらもある意味ガードが弱いことによって起こる話である。

4.2 回避行動は強い

 回避といっても移動回避(ガード+移動)という意味ではなく、ステップやジャンプでの避けと、地上でのその場回避をあわせて回避行動と呼んでいる。移動回避は無敵フレームが少ない上に後隙も大きくむしろとても弱い。
 本作は先程書いたとおりガードが非常に使いづらい性能をしているのだが、代わりにと言っても難だが回避行動全般が刺さりやすい。例えばピーチの横Bはガードからでは多くの場合ほぼ全く反撃が取れないことが多いが、ステップで避ければ大抵のキャラは後隙に攻撃を入れられる。本作はそういうタイプの技を持っているキャラが非常に多く、回避行動からの反撃が非常に強い。
 反撃の基本はガードよりもむしろ回避行動であることを肝に銘じたい。もちろんガードが刺さる局面も多数存在するし、ジャストシールドができるなら話は変わるがその世界は自分にはまだわからない。あくまでジャストガードができない状態の話なので、できる世界では大きく変わるかもしれない。

4.3 ガードと回避の使い分け

 以上の前提をもとにガードと回避の使い分けについて。ガードを振る局面は、反撃を期待せずに様子見や不利状況を回復したいとき、回避行動を振るのは反撃を期待して、N展開から攻めたいときである。
 例えば着地隙というのは、そこから攻めたいというよりはまず何よりN展開に戻したい局面であるため、着地にガード、というのは理にかなっている(読まれることも多いが)。また、相手が飛び道具を撒いている場合、それを回避したところで何も反撃がないため回避せずともガードでやり過ごす方が無難だろう。あるいは、ダッシュガードや崖前ガードなど相手反撃をねらうというより相手の出方をみるだけ、という場合ガードは有効である。
 一方で、差し合いの場合なるべく相手の行動にリスクを付けたいため、ステップやジャンプ、その場回避といった回避行動が刺さる。また、FE展開などで相手が暴れを選んでくると読める場合もガードのような反撃しにくい択よりステップなどで避けるほうが刺さりやすい。オンラインで引き行動が強いと呼ばれる理由は、とどのつまりオンラインはガン攻めや暴れといった攻撃択を選ぶ人が非常に多いからにほかならなない。ヒーローはガードしない、華麗に避けるものとは昔やった「ビューティフル・ジョー」というゲームの文言だったが今になって染みるものがある。実際上手い人の対戦動画を見ていると明確にガードが少ない。上手い人同士の試合はお互いガードをなるべくせず、そして相手にはガードをさせるような展開を作る。これが本作の差し合いの行き着く先なのだと思う。
 いずれにせよ、「暴れには引き行動(回避行動)が刺さる」というのは覚えておきたい。ガードからはめくられたり後隙がなかったりでたいてい反撃できないから回避行動しかないのである。

4.4 なぜガード依存症になるのか

 とくに初心者の頃というのはガードが非常に多くなることが多い。ガードが多くなり、同時に移動回避も非常に多くなる。これはなぜ起きるのか。
 おそらくはF展開を作る方法をガーキャンからの確定反撃以外知らない、もしくはそれに頼りすぎているから起こるのだと思う。相手の差し込みを待って反撃を取るというのは一見非常に安全であり安定もしやすそうである。実際それは強いしわかりやすいのだが、たぶん強すぎた上に本作はガードを意図的に弱くしたのではないと思う。お互いガードして相手の攻撃を待ち合うゲームというのはあまり面白くない。
 何にせよ、ガードからの反撃を取れないことを頻繁に嘆く人はとくに自分の立ち回りがガーキャン反撃からの展開を取ることにあまりにも執着していないか考え直すことが先決だと思う。ガーキャンは弱く使えないことも多い。そういうゲーム性なのである。ガードの弱さを認識し、しっかり差し込みや回避をできるようになれば立ち回りはぐっと成長するだろう。

5. N展開の機微

 以上のもとにこのゲームの中心であるN展開についてもう少し詳しく考える。N展開の至上命題は相手に展開の良い技を1ついれることであって、そのための読み合いのセットアップやあるいは一方的な封殺などである。
 N展開での立ち回りは基本的に牽制と待機の2つのロールがありこれらの応報になる。

差し込み(牽制)側
低リスクな差し込み技を振り相手の行動を制限しつつ、相手を固め、誤った反撃やガード解除、などのミスを待ちF展開獲得を狙う。
差し返し(待機)側
ガードやステップ、ジャンプ、飛び道具などで様子見をし、相手の迂闊な差込みへの反撃からF展開獲得を狙う。

 詳しく見てみよう。

5.1 牽制(差し込み)について

 牽制とは先に技を振って見せることで相手のリアクションを待つ行為で、相手のリアクションが自分にとって都合のいいものであることを求める行為である。もっと言えば多くの場合牽制の動きの主眼は相手の誤った反撃や偏った逃げ方を狩る「ミス待ち」である
 例えば、アイクで空Nをガードに対して撃った場合、実はこの空Nには着地隙が殆どない。それを知らず誤ってつかみを入れた相手に対してその場回避から技を当てる、というのは空Nという牽制択のわかりやすい効能だろう。クラウドの空前は多分多くの人が一度は即上Bや入れ込み凶斬りなどでひどい目に合っているのではないだろうか。多くのキャラの差し込み技は要するに牽制技であり、低リスクに振ることで相手に何かの動きを要求できる。
 差し込みについて重要なことは基本的には良くも悪くも相手のミス待ちでしかないことを理解することである。相手がミスらなくなればなるほど刺さらなくなり、微妙な読み合いが増え始める。相手の牽制にはなるべく付き合わないだけの慎重さを持てるようになりたい。

5.2 待機(差し返し)について

 待機は相手の技を見てその後隙を狙う動きである。ミス待ちの牽制に対してこちらは着実に返すことで相手に依存せずリスクを付けられるため本来はこちらのほうが強い。ただしそれは適切にリスクを付けられる場合であって、ガードの弱さや擦り技の多さ、ゲームスピードの速さなどから牽制に対して難易度の高い動きでもある。
 待機は大きくステップ待機とジャンプ待機に分けられる。ステップ待機はステップが優秀でダッシュからの差し返し択が豊富なキャラが、ジャンプ待機は空中攻撃からの差し返しが優秀なキャラが行う。どちらも相手の差し込みを待ち、無理な牽制技は無視して、取れる差し返しだけ確実に取ることが重要である。
 飛び道具待ちは基本的に飛び道具対処へのミス待ちであってこの意味では待機ではなく差し込みに当たる。
 ガードの弱さの項で書いたように基本的にはガードでの待機はあまり望ましくはない。ガードはあくまでも様子見に使いなるべく回避行動で待機するようにしたい。

 これらのロールはそれぞれの取り合いによってなされるし、それによって目まぐるしく交代する。ただキャラによってそれぞれどちらが得意、というような部分はありそれを意識できると戦いやすいだろう。また戦略面でどちらのロールを狙うか、相手がどちらの戦法を重要視しているか、どういった展開になっているか、といった部分を漠然とでも意識できれば脳死と呼ばれる状態からある程度脱却できる。
 まずは自分がどちらのスタイルが好きか、どちらを普段狙っているかを考えると立ち回りが洗練されるかもしれない。
 以下では各展開での鍵になると自分が考えてる部分について補足しておく。

5.3 N展開の鍵はライン

 ラインというのは台上で自分が自由に動ける左右の広さ、間合いのことだ。ラインが詰められている、というのは自身の自由にできる左右の広さが狭い状態、逆にラインを詰めているというのは相手の左右移動を制限している状態のことを指す。
 このゲームはラインを詰めれば必ず何かが起きる。それが自分に都合の良い変化か悪い変化かはわからない。しかし必ず何かが起きる。これもある意味ガードが弱いことに、回避行動が強いことに起因するのだが、ラインがない状況では引き行動ができない、つまりはラインがない状況というのは反撃という択がひどく制限されることになるのだ。また、飛び道具のようにある程度の間合いで差し込み択として機能する技はその機能を半ば失うことになる。そのため殆どの場合相手は反撃よりもライン回復を優先する。ラインを詰めた状態は牽制のバリューが高くなり、待機も非常に余裕ができる。ラインを詰めることで同じN展開でも選択肢の幅が全く異なるのだ。
 加えてライン回復の手段は大きく分けて4つしかない。

  • ジャンプ逃げ
  • 暴れ
  • 移動回避
  • 引き行動待ち(相手の暴れ読み引き行動を待って回復する)

 ここの癖読みをするだけでもN展開の立ち回りの硬さは大きく向上するだろう、たぶん。

5.4 牽制の鍵はすかしつかみ

 牽制は技を見せることでなにかの行動を誘発したり、ガードさせて固める事によって有利な読み合いを作り攻めることだが、この動きは逆に相手は誤った反撃などをしない限りはとりあえず安全、という場合も多い。自分にリスクはつかないが一方でリターンも何もない、という虚しい動きにもなるのだ。ケースによっては何踊ってんねんと呆然と見られることもある。そのためガードをすることにリスクをつけるつかみ、特にすかしつかみが非常に刺さりやすい。めくりDAや引き空前といった中心差し込み技をちらつかせた上での掴みを一度見せるだけでガード待ちには大きなリスクがつくようになり、ミスがより待ちやすくなる。
 つかみはそういう差し込み技だと理解できていると差し込みの深みが一気にましてやりづらい相手になるだろう。単なる攻めだけでなくそこを強く意識しておきたい。

5.5 待機の鍵は挑発

 待機は相手の技の後隙を狩ることだがもちろん、相手は差し込む際なるべく低リスクな技を低リスクに差し込むのだから、普通に見ているだけでは後隙がすぐ狩れるわけではない。むしろ誤った反撃は常に歓迎されているのだ。
 そのため、単に待機するのではなく上手い待ち方をし、相手を挑発し、狩れるタイプの振り方をしてもらうことが重要になる。とはいえ釣り行動のようなリスキーな動きは流石にそう何度も使えるものではない。あくまで挑発、相手に攻めるふりをして、ステップやジャンプで焦らして攻め込んでもらうというくらいの攻撃を出させる動きができるとその時点で読み合いの掌握ができる。どの動きがどう挑発になるかは難しいが、あくまで差し込みとのバランスが重要になるだろう。差し込みか、ただの待機かで焦らされるだけで相手は相当なストレスを感じることになるためしっかりとただ待つだけでなく挑発までできるようになりたい。

 以上N展開の応報についていくらか詳細を詰めてみた。N展開の応報は特に判断が難しく何をどうすればいいか分かりづらいが、以上のような展開の中での駆け引きがあることを意識できると試合の反省や、あるいは試合中の駆け引きに置いて判断がしやすくなるだろう。

おまけ5.1 ガン攻めについて

 牽制の強さはある意味ガードの弱さに依存して存在している。本作のガードがあまりにも頼りないため、攻撃を振りながらガードを擦ることで、かなりの低リスクで相手の何かしらの行動を誘発できる。ガードからの行動が少ない関係から上手く技を振ることで相手は延々と相手の動きにつきあわされることになる。これがいわゆる「ガン攻め」と言われる戦術で、正直かなり強い。上手いガン攻めができるだけでかなり勝てる。
 ガン攻めの狙いは、まず相手にガードを強要して「固める」こと。その上で、相手が誤った反撃を取ったり、甘えた逃げ、暴れを選択するという「ミス待ち」と、相手が反撃のなさに対応できない「わからん殺し」で構成される。
 パルテナで言えば通過空Nによるガン攻めはその対処がわかっていない相手には無限に刺さる。この技は一部キャラを除いてガードからのわかりやすい反撃がなく、ガードに振られている時点で負けである。誤ってジャンプをしてしまおうものなら40%近いダメージが見込まれる。最悪である。そして多くの人は思う。「パルテナの空Nせこい!」
 基本的にガン攻め対応策は付き合わないことしかない。ガードをしている時点で不利ということを肝に銘じ、間違ってもガーキャンなどなるべく狙わず、回避行動でのリスク付けや、擦り技(牽制技)の後隙ではなく発生の方を潰しに行くべきだ。相手の擦り技の後にある読み合いは良くてもNE読み合い、普通に確定反撃と誤解してしまえばNO読み合いを取られてF展開を作られるので後隙を狙うのやめたほうがいい。相手はこの後隙を誤って狩りにくることをまさしく期待しているのだ。キャラ対の最初の一歩として後隙の狩れない技=差し込み技の理解がある、とも言える。このことをわからない限り延々と擦り技でのマウントを取られ続けるし、ストレスが溜まるだけであろう。

おまけ5.2 立ち回りカードバトル(ダンス対決)

 このガン攻めが極まるとスマブラというゲームが読み合いのゲームではなく立ち回りカードバトルになる。お互いに完成したガン攻めのカードを押し付け合い、押し通せたほうが勝利するという催しだ。
 特にあるキャラの一連のガン攻めムーブを総称して「ダンス」とも呼ぶ。相手を無視して自己完結した踊りを見せびらかすという意味では気の利いた表現かもしれない。例えば。ゲーム&ウォッチでひたすら通過、引き空前と上B空下を押し付ける動きは典型的なダンスだろう
 このゲームの厄介なところはダンスが普通にかなり強いという点だ。実際相手が対応できないのなら、ダンスだけしているのが1番楽で効率的だ。ただもちろんダンスは万能などではなく、ダンスがある程度機能するには相手のガードや誤反撃を強要できること、相手が対策を知らないことといった条件が必要になる。またダンス対決でどちらが勝てるかは運やキャラ相性によって決定するため勝率が安定するとは限らない。そしてある時ダンスが通用しない相手にぶち当たり、大きな壁に直面する。ダンスの限界を知り、ダンスの対策を知り、読み合いの世界に入る、という流れがスマブラーの進む道なのかもしれない。

6. キャラ理解とキャラダイア

 以上で一旦立ち回りについてのあれこれについての基礎的な考えを書き終えた。その上で何を考えるべきか、という部分に触れていきたいがその前にキャラ理解についての話を少ししておきたい。この意識もまた、立ち回りを構成し分析する上で外せない要素になると考えられるからだ。

 キャラ理解、キャラ分類について考える。キャラの特性を分けるのは大雑把に言えば、待ち性能の優劣と差し込みと差し返しのどちらが豊富かということだと思っている。
 待ち性能というのは飛び道具などリーチの優秀さで相手をいかに動かせるかの性能のことを指す(用語として紛らわしいが待機性能とは微妙に異なる。待機性能は差し返し性能のことで別の軸になる)。言い換えると、待ち性能の優劣によってどちらが先に相手の方に近づいていかなければならないかを表す(差し込まなければならないかではない点に注意)。
 例えばサムスやトゥーンリンク、ファルコなどはリーチや発生の優秀な飛び道具や反射技を持ち、基本的に待ち合いになった場合自分が待ち勝てる「待ち性能の高い」キャラで、一方足が遅くリーチの短いガノンガオガエンと言ったパワーキャラは自分から近づかないとゲームが始まらない「待ち性能が低い」キャラ、という感じになる。
 一つの注意として近づく必要があることと、近づいてから差し込むのが強いことは微妙に異なる。その違いが以下で言う差し込み型か差し返し型か、という分類で、例えば待ち性能の低い差し返しキャラなどは自分から近づいた上で差し返しを狙う、というぱっと見分かりづらい動きが中心になる。そのあたりのキャラ特性はある程度理解しておきたい。

 差し込み型、差し返し型、というのは持っている技のうち差し込み技と差し返し技のどちらが優秀かという分類である。あるいはステップなど待機力の優秀さも含んでいる。非常に強力な中心差し込み技を持つキャラなどは差し込み型になりやすく、GC(ガードキャンセル)が豊富だったり発生の早い反撃技を持つ、ステップやジャンプ待機などが優秀なキャラは差し返し型になりやすい。
 以上をまとめて以下のようなキャラダイアを作ってみると面白い。

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キャラダイア
 上下の軸に待ち性能を、左右の軸に差し込みと差し返しのどちらを中心にしているかをマッピングする。どの象限にいるかであるていどのキャラ性能や傾向を捉えることができるだろう。

 試しに自分のキャラダイアを適当に上げてみよう。

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キャラ性能チャート
 正直あんまりわからないキャラも多くてかなり適当だ。適当だがそのへんはあくまで修正していけばいいのであって、まずこういうふうにキャラの概観を捉えることは非常に有用だと思う。ぜひあなたのキャラダイアをみせてほしいなあ、と漠然と思っている。
 画像は以下で作ることができる。日本語対応してないので注意。画像保存機能はないのでスクショで誤魔化そう。
Unity WebGL Player | Smash Bros Tier Grid Maker
 それにしてもこういうアプリをしっかり作っている人がいるところが英語圏の文化的強さだなあ、と思ったりする。日本にはたぶんない。僕が作ってみたいとも思うんだけどサーバーを取得するのが面倒でやる気が起きない。でもやる気がないわけではない。

 以上で立ち回りを静的に構成する、静的なゲームメイク、プランニングに必要な部分や考え方は一通り網羅した。その上で最後に、このゲームの勝率に大きく関わるE読み合いとO読み合いとの変換について言及して、結論へ向かおう。

7. E読み合いをO読み合いにすること

 スマブラの上手さはつまるところ読み合いの上手さと還元されるが、読み合いの原始的な形はじゃんけんであって、じゃんけんには必勝法がもちろん存在しない。このことは素朴な意味で言えば上手い人と下手な人との対戦において勝率が大きく偏ることと矛盾する。スマブラがじゃんけんであれば勝率は5割になるはずだ。つまりは、もちろんスマブラはただのじゃんけんではないし、ただのじゃんけんとしてやっている限り勝率は決して安定しない。ゲームウォッチのジャッジに全振りした戦法は8回に1回は運良く勝てる*4かもしれないが言い換えれば勝率を1/8にする戦法であって総合的には弱い戦法ということになる。勝負で大事なのは1回の勝ち負けよりも総合的な勝率、ということでもある。
 読み合いの分類の章の中で、じゃんけんな読み合いをE読み合い、グリコな読み合いをO読み合いと呼ぶことにした。そしてそれらは状況や相手の癖、誘導などによって変化する、と。
 このゲームの勝率を安定させる1番重要な部分は読み合いでない部分で勝つこと、2番目に重要な部分が読み合いを自分有利に偏らせる(O読み合いにする)こと、3番目にE読み合いで勝つことであると思っている。
 1番目はいわゆるダンスムーブやわからん殺し等などでの無双、確定反撃をしっかり取ることなどでの安定したターン継続で、これらは読み合いではないギミック的部分や確定的部分で勝利できる。一番勝率が安定しやすい方法で、ここから始めることで楽しさと勝率がある意味共存しやすい。一方で、対策がわかっている相手には通用せず、ここにだけ依存すると看破されただけで終了する脆い動きにもなる。
 2番目は今から語る読み合いのコントロールでただのじゃんけんをなるべくさけて、重み付けや誤魔化しなどで相手の択を読みやすくするセットアップで、フェイントや癖読みといった様々な方法を駆使してなるべく読み「合い」を避けて一方的に読んでいく部分である。これは非常に難しく方法も様々だが、相手も自分もまず最初にこれを狙っていることを意識できないと知らず識らずのうちにゲームが不利に偏ってしまうためしっかりと意識だけはしておきたい。意識するためのいくつかの、自分の考える断片情報を以下で解説していきたい。
 3番目はここでは語れないE読み合いでの勝利であって、要するに最後に残る運ゲーの部分であろう。この境地は明らかに遠すぎる世界であって、少なくとも当分は意識する必要もないし、あるいは意識できても同しようもない部分かもしれない。ただ、そういったじゃんけんの中にも、もしかしたら何かしらの機微があるのかもしれない。僕にはわからない。

 さて、そういうわけでE読み合いをO読み合いに変換していく方法について考える。このゲームは何も意識しないでいるとE読み合いばかりでそういう意味ではこの変換を覚えることそのものがゲーム性、ゲームの練習というふうに言い換えることさえできるかもしれない。
 方法は大きく分けて4種類になる。誘導、誤魔化し、バリュー差、人読みである。

7.1 誘導を入れて偏らせる

 比較的スタンダードなやり方。特にFEの読み合いはFOに変換されやすい。崖前で何かを設置して転がりを誘発する、崖でぴょんぴょんして攻撃上がりを誘発するといったパターンや、着地狩りの際にジャンプでのフェイントをみせて回避を誘発する、その他特異な釣り行動など様々なパターンがある。ただの崖上がりであればお互いの択は読み合いだがなにか動きをれれば相手はそれに影響されて動きが変わるし、ただの着地狩りであれば暴れや回避、ジャンプなど豊富な択があるがフェイントを置くことによって焦って回避してくれる人がいる、といったパターンだ。例えばガノンドロフで毎回横Bの後振り返って横スマをしていればだれも後ろに転がりたくなくなる。そういうふうに思わせたところでバースト帯でだけ前方向に攻撃を入れる、何ていうことができればこれは立派な誘導だろう。
 誘導、フェイントの仕方は人やキャラによってまちまちでここで一括して語ることはできないが、これこそ上手い人の動画の中には何かしらのヒントがある気がする。つないでいる非確定コンボや崖狩りなどについては特に注目してもいいかもしれない。ただ、上手い人同士の対戦はお互いフェイントや誘導を知っている状態での戦いなので案外見つからない……かも……?

7.2 択そのものを誤魔化す

 これもFE展開で最も有効だが、試合を高速化して判断を鈍らせる、非確定なコンボを確定コンボだと偽装するなどといったパターンがある。崖上がりやガノンの横Bからの読み合いは誰でも見た瞬間読み合いだと分かるためじゃんけんになるが、複雑なコンボの終端での読み合いは人によっては理解できず食らってしまったり、高速でのガン攻めで相手を翻弄すれば相手はわけも分からず読み合いを間違えることがある。誘導に近いが非確定なダウン展開に対してすぐさま走っていくとビビって前転がりをしてしまう、なんていうのもある。とっさの判断や相手の理科が及ばない択は癖が出やすく狩りやすい。相手を翻弄する読み合いを作るコツは持っておきたい。

7.3 バリューに差をつける

 片方の択はバースト、片方の択は小ダメージのようなバリュー差を付けれられればある程度は小ダメージの側に相手の択を偏らせることができる。ゼルダの下投げは低パーセンで内ベク変だと空後クリティカル、外ベク変だと空Nが確定するが、この場合空後クリティカルは流石に痛く、基本的には空Nの側に偏らせやすい。このようなバリュー差による誘導はある程度だろう。
 ただしこれは相手がしっかり両方の択のバリューを知っている必要があるため、ある意味弱い人には通じない択だったりする。あるいは全く択がランダムになるような世界だとかえって通用しづらいかもしれない。また、あくまでも最大リターンは何もくらわないことなので、リスク承知でそちらを選ぶ場合もある。ややEvenに近い面もあり少し安定はさせづらい。

7.4 人読みで偏りを見つける

 最もメジャーなやり方。この人は毎回転がり上がりをする、この人はガードをこすられると必ず掴む、この人はそもそも受け身ができない、この人はライン回復にジャンプを多用する、この人は……といった人読みのパターン。これもいろいろな部分にチェックポイントがあり、ある意味成長に最も時間がかかる部分な気がしている。意識的にたくさんの相手の択を見続けることである傾向がぼんやりと見いだせる、といった感じだろうか。
 これは誘導や誤魔化しと合わせて機能する部分で、本当に難しい。上手い人の動画を見てすぐ分かるものでもないし、何度も書いている通りある程度実力が上がるにつれてわかりやすい癖というのはどんどんなくなっていく。個人的にこの部分は練習の費用対効果があまり高くない部分で、最終的には必要になるものの比較的後回しでもいいのではないかと思っている。崖上がり毎回飛んでるくらいのわかりやすいものがあったら狩る、というくらいでもいいのではないかと思う。
 強いて1つ言うなら、防戦のときが最も癖が出やすい傾向がある気がする。攻めやニュートラルな状態では択が散っていても「復帰が毎回上から」とか「着地に毎回ガードをする」とか「飛ばされたらすぐ回避をいれる」とか「受け身は毎回前転がり」とかそういう部分の癖はわかりやすくバーストにも繋がりやすいのでその部分から始めるのがいい、気がする。

7.5 別の対処法を探す

 以上はE読み合いが発生した際にそれを偏らせる方法についての話だったが、以下ではそもそも以下にしてE読み合いを避けるかという部分について考えたい。例えば、相手のアイクがバースト帯になって空Nをブンブン振りだしたとしよう。これに対する対処方法は色々あるが、対処法によって発生する読み合いが違う。
 例えば着地隙を狙おうと思ったとする。ただ実は着地隙が少なく確定反撃はそこまでない。それゆえに実は着地後にはNEの読み合いがありそこに勝たないと狩れない。一方で発生を潰そうと思ったとする。実はアイクの空Nは発生がそこまで早くないため発生をマークされると厳しい局面がある。こうなるとNO読み合いに近くなる。
 あるいは、相手のクラウドが同じくバースト帯で空後をブンブン振り出したと考えよう。これに対して後隙を潰そうと思うとこれも後隙が思いの外少ないためNE読み合いに持ち込まれ美味しくない。発生を潰そうと思うと、思った以上に発生の早い空後に翻弄されて後隙を狩るよりはNO読み合いに近いがそれでもすごく美味しくはない。この技は持続があまり長くないため、リーチが短くない引き空前で反撃すれば比較的取りやすい。
 あるいはどちらの話についてもジャストシールドができるのであれば話はもっと簡単になる。
 このようにNE読み合いになっている場合それより前に解消法がある場合もある。別の対処法を探す、というのも重要な選択肢だろう。

 以上読み合いの変換についての話を書いたが、おそらく最終的に上達に一番時間がかかりいちばん重要な部分はこの変換の部分であると思う。常に、どういう読み合いが構成されているかを意識して、上手い人の誘導方法などを真似ていければ勝率は安定しやすい、と思う。

8. 結論:試合中と試合後に考えること

 さて、いよいよ本記事の結論に当たる部分である。今までの部分も重要でとにかく各項目をしっかりと意識のうちに入れておくことは価値があると思うがその上で、以下に書く考えがしっかりと実践できれば成長速度は無意識に対戦を行うよりもよっぽど効率的である……と思う!
 一緒に頑張ろう!!

8.1 どの展開で技を食らったか考える

 個人的に一番大事な部分だと思っている。極端な言い方をするなら攻撃を食らうというのはそれ自体がある意味ミスである。完全な理想論で言えばノーダメージ勝利こそが最も望ましい。
 そういう意味で、自分が攻撃を受けたときにどの展開のどの読み合いでダメージを受けたのかを検討する癖がつくと成長は格段に早まると思う。ダメージを受けるタイミングというのは基本的には以下で分類できる。

  • 安易な差し込み
  • 誤った差し返し
  • ガードへの掴み
  • 誤ったガード解除
  • 設置攻撃にひっかかる(ジャンプ、回避読み置き攻撃など)

 まず技を食らったときにどういったミスで技を食らったのかを考えたい。それが読み合いに負けて食らったのか、雑な差し込みや差し返しをしてしまったのか、読み合いで負けた場合はその読み合いはEvenだったのかOddだったのかそういったことを意識した上で、相手に何を通されているかを読み取っていき、相手の攻め方のスタイルを理解したい。
 もちろん試合テンポが早く全攻撃にそれをするのは難しいが、あくまでも意識として攻撃を食らったときどういう展開から食らったのかは意識できると強い。
 このことで特に重要なのは同じミスを2度しないことである。例えば1度相手の中心差し込み技(後隙のない技)に誤って入らない反撃をしてしまって攻撃を食らったとする。そのことをしっかり認識できないともう一度同じような押し付けに気づけずまた同じ反撃を食らってしまうが、しっかりと「誤った反撃をしたこと」を理解できていれば同じ手は2度食わない上に、相手のや相手キャラの強みを1つ学習できる。このようにしてレパートリーを増やしていければ成長速度は意識的に上げることができるだろう。
 また、Evenな読み合いで敗北した際にはそのこと自体は気にしすぎる必要がない、というような反省の仕方もできる。運ゲーに近い状態で負けたのはその部分自体は改善のしようがないので、今の部分自体は仕方ない。むしろその前の部分について考え直すほうが生産的だろう。
 自分がダメージを貰った局面を意識しどういうミスでそれが起きたかを考えることで、相手の立ち回りの狙いや志向などを冷静に分析することができる。それによって、ダンスに対しての対処を考えたり、自分が何故負けたか、という点に意識を巡らせることができる。1つのファクタとしてどういう点でダメージを貰ったか、特にバーストはD展開やN展開のどういう読み合いだったか、どの差し込み技から持っていかれたか、最後の読み合いはどうセットされていたかそれともじゃんけんだったか、といった部分を考えられると成長しやすいだろう。これは他人の動画を見る際もある程度意識できると面白い。私の尊敬するこの人は、こんなに上手いのにいったいどういうときに技を受けてしまうのか、と考えると上手い人のテクニックや展開の作り方を吸収しやすいだろう。

8.2 1度通った択と通らなかった択を覚えておく

 前とは逆にこちら側としては1度通った択は可能なら何度でも通したい。相手に攻撃を当てられたときにどうやって通したかを意識して、もう一度同じものを振ってみる、というのも重要である。次も通るならやり続ければいいし、通らないのならその択は覚えられたことになるのですぐに辞めておく、という動きである。特に後者の通らなかったときに一旦諦める、というのが重要に思う。
 スマブラはカードバトルになりがちで自分のやりたい攻めを通すことに通しても躍起になってしまう。確かに通るのならダンスは強力な上に楽で、可能な限りやり続けたいものだが、通ってないのならそれは隙を晒すだけの行為にしかならない。通らないものはすぐに引き下げて次の択を用意できないと読まれるだけの動きを繰り返すことになる。自分のやりたい動きに固執するとすぐにただのカードバトルになってしまう。しっかり通らないものを理解して、通るものだけ押し通していきたい。理想としては何枚もカードを持っていて、相手の対応に合わせて変えられると、自分が主導のゲームを作ることができ非常に戦いやすいだろう。そうすることで相手の自分のムーブへの対処も覚えられ、癖読みという最も難しい部分も進められるかもしれない。
 何が通ったのか、そして何が通らなかったのかはしっかり意識して特に通らない動きに固執しない点は重要視したい。

 上の両方について言えるが攻めでも守りでも「決まった正解ムーブに固執しないように意識する」という部分に一番の焦点がある。ある状況において最も優秀なムーブというのは確かにある。リスクが少なかったりリターンが大きかったり、最も通したい択というのは確かにある。あるが、それしかないのはあまりにも弱いのである。D展開で毎回ジャンプ逃げをしたり、F展開で毎回復帰阻止に来たり、というのは単体では強くても連打して強いものではない。
 決まった正解ムーブ症候群から脱却して柔軟に択を変えられるようになるために、何でダメージを食らったか反省し、何が相手に通じてないかを意識することは非常に重要なのである。やりたいことではなく通る択を選ばないと始まらない。このことは肝に銘じたい。

8.3 どういう展開が作りたいか考える

 これは特に試合中のN展開での話だが今から自分がどういう展開を作りたいと思っているかはある程度意識的に考えたい。具体的には自分と相手の%をしっかり意識してそこから何がした以下はプランニングしておくべきだろう。大きく分けると以下のように分類できる

自分 相手 展開
コンボからのバリュー、展開意識の技
決め技を取れる展開を作る、道連れ注意
バースト拒否。リスキーな技は極力抑える
慎重に相手の隙を探しつつ大胆に

 当たり前のような気がするが、案外バースト帯でもないのにスマッシュを振ってしまったり、バースト帯なのにF読み合いを作れない差し込み技ばかり振ったりというノープランな人は多い気がする。まあ自分のことでもあるのだけれど、展開を意識して技を振れないのはかなり弱い。そのパーセント帯でどれを狙いたいか、大きく言えば展開かバーストのどちらを狙うべきかはしっかりと考えたい。バーストを狙う中でも崖外からなのか、空中なのかと言った部分までできればしっかりと考えを整理しておけると良いだろう。スマッシュやカウンターは基本的にはバーストにつながらないと弱い。リスクの割に当てたときの展開が美味しくなさすぎるのだ。そういったことを体感的に理解していないといつまでもノープランな動きは抜けないだろう。
 しっかりと作りたい展開は常に意識してプレイしたい。

8.4 他のことを考えすぎない

 以上の3つに加えて重要なこととして考えることを増やしすぎない、というのも重要なことだと思っている。「試合中頭を使えないと勝てない」とは非常によく言われることだが、実際何に頭を使えばいいか、と白紙の盤面を見るとどうしても途方に暮れる。考えるべきことが多すぎるようで何からどう手を出せばいいのかさっぱりわからないのだ。
 ある意味そういう途方に暮れる状態に1つの目盛りを、指標を与えんと欲したのが今回の3つ、

  • 技を食らった理由
  • 通らない動きの理解
  • 作りたい展開の意識

ということになるのだが、ここで重要なのが、あれこれと手を伸ばさずに以上のことに徹することだと思っている。人間が一度に意識できることは少なく、ましてや複雑な操作の中で何個ものことを同時に考えるのは非常に難しい。
 なるべく考えることは焦点化し、簡略化し、その上で対戦の前に考えられることを考えておくことで試合中の思考領域の使用用途は絞っていきたい。それは例えば操作に意識を奪われないとか、キャラ対策に意識を奪われないといった、対戦前の対策、練習が物を言う部分である。まずは上記のことをしっかり意識して他のことにはとらわれないようにする、という取捨選択も重要だろう。そこからだんだんと手を広げればいいのであって、まず最初の焦点化として以下の部分に集中できるような準備と実戦での集中力はしっかりと鍛えていきたいと思う。

8.5 おわりに

 というわけで以上、試合中にいかに頭を使うか、という部分、立ち回りをいかに強くしていくかという部分について考察したものをすべてここにまとめた。前回のブログから、あるいはその前から、今日までの集大成というべきものであり、結果としてまたもや30000文字以上の超大作となってしまった。ここまで読んでくれた人には大きな感謝と労いの気持ちしかない。ありがとう。。。ありがとう……!
 立ち回りを鍛える、という話は非常に難しい。コンボの練習をしても、知識を増やしも、どうしても立ち回りの弱さというのが気になって仕方ないということは少なくない。自分の立ち回りが弱いことが分かってもではどうすればいいのかとなると一気に途方に暮れるのは日常茶飯事である。
 だから、なんとかその状況を意図的に脱却したいと感じ続けてきた。貰ったアドバイスがどういう意味を持つのか、勝てない理由はどうしてなのか、何が自分に足りないのか、上手い人の動画はどういうところがすごいのか、といった抽象的な問いかけがいつも頭に渦巻き、行きどころのないもやもやがどこまでも残り続けてきた。
 今回挑んだのはそういった部分の解消である。アドバイスを貰ったとき、それがどういう意味をしているのか理解する、勝てないときどこに原因があるのか追求する、立ち回りの理解として何が足りないのか理解する、上手い人のリプレイを展開や読み合い、技の分類などで分析する、といった画面全体の1つの「読み方」をとりあえずの形でまとめることができたと自分は思っている。もちろんこれは「盤面」という大きな白文への1つの読み方、ルビの振り方に過ぎない。他にももっと優れた読み方があるかもしれないし、あるいは読み方なんてものはないのかもしれない。だが、まず最初の一歩としてある種の解釈を以て途方も無いスマブラの世界への足がかりとなれればそれだけでも価値があると信じている。
 自分もまだまだ開拓途中で頭で考えてることと実際の操作が全然一致しないし、できることが少なすぎると言った問題は無数にあり本当に赤子のような状態でしかない。
 けれど、ひとまず考えをまとめきることで、今からどういう練習を、意識をすればいいのかといった1つの希望のようなものはようやく持てるようになってきた。今まで漠然とただ勝てないことを嘆いてきたことを考えると前進できた、とそう信じている。
 スマブラに関わらず何を鍛えるというのはときに道すらない荒野を当てもなく開拓するような絶望感さえあるが、それでも全くの暗闇ではないはずだ。1つづつ、頭を使って、この寄る辺のないまっさらなノートに罫線を引いて行けたら嬉しいと思う。
 もし参考になったりあるいは新しい考えがあったらブログにコメントとかネットで拡散とかしてくれるととても嬉しいです。あ、でも叩かれるの嫌なので非難はテレパシーでしか受け付けてません! ごめんね!!
 長ったらしく書きましたが、色々試行錯誤して一緒に頑張りましょう!! ということです! ありがとう。がんばろう!! 大会やメイトで会いましょう!

9. おすすめや参考にした動画、ウェブサイト

 参考にしたものや参考になるものを紹介しておく。最近は動画よりもブログやウェブサイトのほうが必要情報を見つけやすく可読性やわかりやすさの面でありがたいなあ、と思ったりする。というか、「見て学ぶ」というのは想像を超えて難しいというのがわかってきた。何をどう学べばいいのか思った以上にわからず、なんか学んだ気がするだけになりやすい。そのため学ぼうとする人はまず文章や解説がしっかり入っている動画から始めるのがいいと思う。映像はぼーっとしてても流れていってしまうので、「流し見しただけなのになんか見た気になる」ということが地味に多いのではないかな、とか。文章などである程度見るポイントを抑える→動画で実戦、みたいな流れがいいのかな、と最近思う次第だ。何にせよ必要な知識や情報は貪欲に吸収していきたい。
 というわけで文章系のサイトをメインで紹介していく。

9.1 知識の宝庫Smashlog
smashlog.games
 知識や技術について常に新鮮で適切な情報を提供し続けてくれる最強のデータサイト。とにかく参考になり、そしてこれからも参考になり続けるサイト。こういうのをプロがやっていくのは本当にすごいことだと思う。
 ここ最近で一番好きな、おすすめ記事はこれ。
【スマブラSP】キャラ対策の基本 | 強い技への対策方法の考え方 | Smashlog


9.2 最強データベーススマブラwiki
smashwiki.info
 個人的お気に入りのスマブラデータサイト。細かい技名やステータスからキャラデータについてまで非常に詳細に書かれておりとにかく楽しい。パルテナの空Nは「四方の環」。ルキナの後ろ投げは「レッグフッカー」。

9.3 やはり頼りになるスマブラ検証wiki
w.atwiki.jp
 フレームシートや遅延検証から細かい仕様の数式まで幅広いデータが網羅された優良サイト。困ったらここに訪れる。

9.4 心的資源
dx.smashbr0s.com
 スマブラでの心的資源という概念の話。非常に参考なる。無意識に操作できることの重要さ、は意識したい。

9.5 フラッシュ理論
fgamers.saikyou.biz
 スマブラの立ち回りについての考え方の話。明瞭な上に実力者の言うことで重みがある。一読の価値があると思う。

9.6 キャラ対メモ
スマブラSP用私的キャラ対策メモver6.1.0(12/10更新) - 雑に綴る場所
SP用マルス視点各キャラ対策メモ完成版(7/28更新) - 雑に綴る場所
 りぜあすさんのキャラ対メモ。非常に参考になる。こうやってこの分量を、情報量をまとめてるのは本当にすごいなあ、と思う。

9.7 スマブラ全キャラVIPへの道
fjihole.hatenablog.com
 全キャラVIPの筆者が各キャラを実際に使った感想、コツなどを書いている。1人の人がここまで全部書くのはすごい。また文章が絶妙に面白い。キャラ理解の参考になるかもしれない。

9.8 Protobanhamさんのnote&質問コーナーまとめ
docs.google.com
note.mu
 トップルキナ使いのProtobanhamのnote及び質問コーナーの解答をまとめたもの。質問コーナーは内容の充実度と非常に綺麗に分類されている点なども素晴らしい。

9.9 raitoさんのnote
note.mu
 トップダックハント使いのraitoさんのメモ書きをあつめたもの。簡単な解説記事がたくさんあり参考になる(キャラ紹介記事がXで止まっているのが個人的には少し残念)。

9.10 あんかーさんのnote
note.mu
 ピーチ使いのあんかーさんのメモ書き。個人的にとても参考になったのでおすすめ。内容として通ずる部分も多いかも。

9.11 えつじLIVE
www.youtube.com
 僕が好きなだけ。自分はルキナパルテナ使いなんだけど最近えつじさんもパルテナ使いだしてくれて嬉しい。相思相愛。最近はアーカイブをあんまり残してくれてないので少し寂しい。

9.12 あこちゃんねる
www.youtube.com
 パルテナ使いのあこさんの配信。個人的にパルテナ使いとして参考にして、応援している。

9.13 kokeshiたろうちゃんねる
www.youtube.com
 パルテナ使いのkokeshiたろうさんの配信。テレキャンをめっちゃする。話がなんとも言えず面白い。

9.14 ウメハラの本(勝負論)
勝負論
 最後に本を1冊。プロゲーマーウメハラの考え方をまとめた本。個人的にかなり好き。深く考えること、常に成長を望むこと、近道ばかりをもとめないこと、等々色々と感じるものがある。また、個人的にはまえがきの「自分は今こうして本を書く機会に恵まれたがこれはラッキーであって同じようなことはきっと自分以外にも知っている」という話はなんというか、感心してしまった。
 そういうわけで色々ととても良い。ぜひ買って読もう。リンクから購入しても僕には一銭も入らないので安心して(?)クリックしてください笑

10. おまけ

10.1 弱い人が弱い理由

 このゲームは弱い人と強い人がいる。自分より弱い人を思い浮かべてその人が「なぜ弱いのか」を具に分析してみると案外発見がある気がする。自分が思うには以下のようなパターンがある気がする。

  1. ガン攻めしかできなくて弱い
  2. キャラ理解や基礎知識が不十分で弱い
  3. 択の意識がなくて弱い
  4. 基本的操作がままならなくて弱い

このそれぞれの弱い理由は誰かとにおいて以下の図のように分布しているように思う。
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 青い線がそれぞれの弱い理由の分布帯である。例えば、「ガン攻めしかできなくて弱い」は指し初期からVIPに至るまでわりと陥りがちな部分という感じ、逆に「基本操作がままならなくて弱い」というのは下位2%くらいの話、という感じだろうか。
 自分より弱いな、と思うことがあったらその理由を分析していろいろと考えてみると自分がまた弱い理由についても冷静に分析できるかもしれない。またVIPに行きたい人は4,3,2,1の順で練習するのがおすすめだと思う。

10.2 中級者と上級者の定義

 たま~に話題になる中級者の定義の話を少し。自分的な中級者の定義はVIP到達程度だと思っている。流石に上位3%到達で初心者を名乗るのはケースによってはややイヤミとは言わずとも違和感があるし、だからといって上級者と言うには流石に抵抗がありすぎるので中級者という表現が妥当に思える。
 一方で上級者の定義は「中級者以上のひとからあなたは上級者だ」と言われることだと思っている。上級者はさらに定義が難しく例えばメイト1600以上は上級者かな、とか個人的には思うけれど、そもそも上級者は流石に自分から名乗る人も少ないので、そういう意味で他人から上級者だ、と認定されるという基準はユニークながら適切に思える。
 雑多な話ではあるが割と定義として気に入っているのでなんとなく書いておく。

10.3 初心者が上手くなるコツ

 初心者というのはVIP到達未満くらいの話だと思って書く。自分も別に指南できるほど上手いわけではないのだけれど、最近思う上達のコツについて少しばかり書いておこうと思う。前回のブログの補足のような部分でもある。
 最初に書いたとおり、ゲームの上手さは知識、技術、立ち回りに分解できて、そのうち知識と技術は立ち回りに比べれば簡単に身につきやすい。そのためまず知識を学ぶところから始めたい。
 基礎的な知識や技術であれば、自分の前のブログだとか知識の宝庫Smashlogだとかいろいろな人のブログだとかを参考にすると良い。知識、操作がある程度行って自キャラの理解が進めば後は実戦で立ち回りを意識していけば自ずと上達していくと思う。まずは押し付けのダンスムーブから始めると良い。
 キャラ選びについては自分が一番強いと思うキャラを選ぶべきで、Tierランクはそんなに参考にしなくてもいいと思っている。他人の受け売りで選んだキャラは納得しづらい面が多いし、後で自分の使うキャラに限界が来たら別にその時変えてもそんなに苦労するわけではない。やはり勝てるのが一番なので、自分が使ってて1番強いと感じるキャラを選ぶのが良い。ただ、一部どう考えてもつらいキャラみたいなのもいるのでそういうキャラはうっかり選ばないほうがいいと思う。具体的にはキャラランクの下から2つくらいは一応おすすめはしない(それでも自分が強いと思うならいいけれど)。それ以外ならキャラランクは気にせず好きなキャラを使うのがいいだろう。他人の受け売りで選ぶと割と後悔するので自分で頑張ろう。どうやっても選べないなら、待ち性能が高くて、差し込めるキャラが一番やりやすいと思うのでそういうキャラを選ぼう。またこれは個人的な意見だが、「適当にやって強いキャラ」は「適当」から先に行くモチベーションを得にくく成長しづらいため個人的には癖のあるキャラのほうが逆にいいと思っている。
 キャラが選べたらキャラの特性について研究してみよう。まず、技の分類と待ち性能について考え、その上でどの技でどう立ち回っているかを中心に上手い人の動画を見ると良い。ようつべで「キャラ名 VIP」とかで調べると色々出てくるので色々見て使えそうな部分を貰っていこう(たまになんかちょっとなあみたいな動画もあるのでそういうのはスルーしたい、量産型は要注意)。
 以上で後は実戦あるのみ! 直感で動かしながら感覚と操作精度を上げていく。そしてそれが一通りになったら立ち回りを鍛える! ……なんだけど注意したいこととして細かいコンボの練習し過ぎは良くないなあ、と最近思う。割と頻繁に、コンボ精度がすごいのに立ち回りが弱い人を見るのだけれど、とてももったいないと感じる。そういう人は大抵その複雑なコンボに意識を割きすぎている、あるいは、そのコンボしか立ち回りで狙っていない、といったパターンだったりするのだが、しかしそれでは勝率は取れないしそうなるとせっかく練習したのに勝ちに結びつかないという非常に悲しい状態になる。必須コンボのような物は確かにあるが、その一方でロマンコンボや用途の少ないコンボというものもある。というかコンボはあくまでバリューを上げる択なので必須バースト択でもなければそんな複雑なコンボの練習は必要ない。簡単な、できるコンボだけでも大抵のキャラはなんとかなるので、複雑なコンボや空ダの練習をするよりは立ち回りを鍛えたほうがいいと思う。
 以上、初心者でも中級者でもやるべきことはそこまで変わらないと思う。適切に操作精度や知識を増やして、立ち回りを鍛える。VIPに行くまでの話はやはり前のブログのほうが詳しいのでそちらを参照されたい。

10.4 いろいろな人から学ぶこと

 こういう実力がゲームでは仕方のないことだが、何かを学ぼうとするときに、とにかく上手い人からだけ、何なら一流どころだけから教えを請おうとする人は多いけれど、なんというかそれはもったいない気がしている。これは別にゲームについてだけでもなく勉強についてもそうなのだが、トップだからといって必ずしも教えるのが上手いとは限らない。基本的にどんな人間も他人に説明できることというのは「自分がある程度苦労して得たもの」だけだと思う。「もとから持っている能力」というのは他人に説明できない。それは多くの場合「なぜ自分が優秀か?」という疑問はあまり考えないからだ。ゆえに上手い人というのが場合に依っては「もとからできる人」だったりして、あまり本質的な話がもらえないケースはある。しょうもない例だが、僕は巻き舌というのがどうしてもできなかったが弟と従兄弟は元からできた。そこで当時の僕は弟や従兄弟にどうやってできるのか聞いたりしたものだが、いくら聞いても「できるからわからん」としかならなかった。結構悔しい思いをしたのだがどうしようもなく、ある種の諦観があった。しかししばらくした頃ふと気になってインターネットで調べると同じような経験談を踏まえながら練習情報を公開しているサイトを見つけた。そして同じように練習したら、できるようになった。できる人から聞くというだけではわからないものというのはたしかにある、という非常に卑近な例かもしれない。情報は広く集めたほうがいいだろう。
 もちろん上手い人から教えを請えるというのは非常に贅沢で素晴らしいことなのだが、そこから学んだことだけを絶対視して、意味を考えないと、あるいはそのアドバイスがしっかりと身にしみてるかどうかは確認しないと、効果は半減してしまうだろう。人から学べることというのは意外に多い。せっかくの機会をみすみす逃さないようにしっかりとアンテナを張って使えるものは何でも使えるようにしたい。また、この人は上手いから言っていることは全て正しい、というような盲信は絶対に避けるようにすべきだと思う。
 あとこれはまあ少し別の話だが「上手い人は大抵同じような考えで教えを請いに来ている人がめっちゃいて人気な上に、自分自身も緊張し萎縮してしまうので結果として話を聞きづらい」というのは少し感じる。上手い人からだけ学ぼうとするのは難しいなあ、と感じる所以である。

10.5 煽り対策

 このゲームをやっていると必然的に経験するものの1つに煽りというものがある。主に「だれかと」がメインだが、アピールが廃止された代わりに屈伸(しゃがみ連打)をするのがよくあるパターンだろうか。正直鬱陶しい。意味わからんし、お前誰やねん、となる。少しムカついて処刑してやろうという気分になる。なるのだが、仮にそれで実際処刑できたとしても、そう思った時点でメンタル勝負としては残念ながら負けている。とにかく何も感じず平常プレイを続行できるのが理想だ。そっちのほうが勝率は高まるし、煽りは何も反応してもらえず淡々と処理されるのが基本的に1番つらいのだ。
 ではどうやって何も感じないようになるか。これはウメ本でも語られていたが、まずは何も感じていない人の行動を形式的に真似て見るところから始めるのが良いと思っている。実際にイライラしていても構わない。だがとにかく行動、言動としては全く何も感じてない人と同じような動きを意識するようにする。煽り耐性の高い人を見つけて何をしているのかを真似するのだ。その人が、全くガン無視なのか、嘲笑しているのか、何か適当なコメントをしているのか、なんでもいいがとにかくひたすらそれを真似てみる。すると、それを繰り返すうちにだんだん本当に何も感じなくなってくる。行動に思考が誘導されるのだ。
 一度この煽り耐性を獲得すると強い。おそらくいろいろなところで役に立つ。確かに煽ってくるやつは処刑したいと思うのは誰でも同じだが、煽るやつは大抵処刑されないと思って、処刑されにくい立ち位置から煽っているので、煽りに乗るというのは相手の土俵に乗るということでもある。煽りに乗ってしまうのはどうやっても不利なのだ。煽りに乗るとしても感情的ではなく確実な勝算を以て乗るべきであって、そうでないなら関わってはいけない。そして確実な勝算など基本的にない。だからスルーが安定なのである。
 ここまで見てみると「むしろ先攻煽りが最強なのでは?」という気がしてくる。確かに耐性のない相手を一方的に崩せるし、そうでなくてもニュートラルな勝負になるだけなのだから最強かもしれない。これはある意味一理あって、人生は煽り得な面は割とある。憎まれっ子世にはばかる、なんとも悔しいが仕方がなかったりする。だからこそ煽りが跋扈し、故に煽り耐性が大事になってくるということでもあるのだが、もちろん煽りにリスクがないわけではない。煽りのリスクは自分が思う上では2つある。1つは、「煽ることに思考領域を奪われること」、もう1つは、「リアルの立ち回りをかなり犠牲にすること」である。どちらも割と致命的だ。
 前者は「煽ろう」という意識を持つ時点で対戦にある意味集中できてないことを意味する。そんなことを考える暇があるなら立ち回りを強くしたほうが良い面もあるだろう。特に相手が煽りに反応しない場合は煽りに思考領域を使う分損でしかない。また後者については言うまでもない。煽りは基本的にはリアルでの立ち回りを代償に行っている行為である。極端な話、最終的に対戦相手がいなくなったり、本当に誰にも相手にされなくなる。匿名性が担保されていても世の中とは怖いものである。思わぬところでツケを払う羽目になることがある。そしてそのツケは決して安くない。また日頃から煽り癖がある人は、行動が思考に影響するという話を考えると、その他の日常的にも問題行動を起こしやすい可能性がある。
 いずれにせよ煽り耐性はあるに越したことはない。煽りを見て処刑動画を撮るよりは、煽りを鼻で笑えるくらいの余裕をつけるよう鍛えていくのがいいと個人的には思う。煽りはムカつくものだが一緒に頑張っていきたい。
 話は少しづれるが相互理解があるのなら、リスクをイーブンに持っている(煽安全圏からの煽りではない)状態なら、煽りというのはゲームを盛り上げることも無くもないと思う。少年漫画の最後の1騎打ちで、ボスキャラが主人公を煽るような、そういう燃える展開というのも悪くない。これはもはや楽しくなりさえする。ただこれは相互理解があって初めて成立するのであって、間違っても何も知らない状態でやるものでもない。加えてスマブラの場合いくら煽ってもやることが屈伸だったりして絵面が致命的にダサいだけなので難しい。やはり煽らないのが安定ではある。煽りはやめよう。しま○ろうとお約束だよ。

10.6 内発的でない知識は役に立たない

 最後の最後にすごく大事だと思うことをちらっと書いておく。内発的でない知識は役に立たない。内発的な知識というのは自分で必要性を感じた知識のことで、例えば相手にガードをされまくってなすすべがない、という課題意識から「すかし掴み」という択を得るようなケースだ。こういうパターンは知識が非常に活かしやすく、またなによりも必要性から生じるため実践的な効用が高い。一方、ただ適当に「すかし掴みをしたほうがいい」といわれてなんとなくやってみる、というような形は全く役に立たない。知識を得る際は「どういう状況で、どういう理由でそれが必要なのか」をしっかり納得する形にしない限りはむしろないほうがマシでさえある。このことはアドバイスを貰うようなときや、あるいは自分で勉強していく中で常に意識したいと思う。なぜその知識が必要になるのか、それはどこでどういう理由で使うのか、何が有効なのかは自分の納得できる形になるまで妥協しないほうがいい。たとえどんなに上手い人に言われたことであっても、その一線はしっかりと保ちたい。仮に結果としてわからないまま使って勝てるようなときでさえ、理由がわからないうちは取り入れるべきではないと自分は思っている。もちろん、試していくうちに効用がわかっていくというパターンはあるが、理由もわからず勝てるというような状況は将来的には余りリターンが高い手段ではないと思う。最低限その知識がどういう意味があるのかはある程度考察していくべきだし、そうすることでより高い次元に至れると思う。
 とはいえ楽器の練習のように意味がわからないうちからとにかく体に覚えさせることが価値があるというケースも確かにある。ただ少なくともスマブラの成長にはたぶんあまりないし、そこまで幼い状態でもないのであればやはりある程度理由への意識は仮にわからないとしても向けている方が良いだろう。
 しっかりと知識は理由や価値まで理解した上で活かせるようにしたい。そこは常に意識したいと思う。

11. 私的あとがき

 よ~し、今日もスマブラやるぞ!! よし、「だれかと」を起動、と。今日こそこのキャラをVIPに入れるんだ。もう近いしね。さてさて、あ、こいつ、ラッグ!! ラグすぎるだろ。おいおい。はぁ~。あ、あぶねえ勝てた。勝てたからOKや。う~ん。緊張するなあ。よし次だ。……。は? 2ストかよっ!! 油断したわ!! もう、いい加減このゲームはルール統一してくれよ~。。。あ~なんか今日はジョーカーが多い日だなあ。誰か流行らせた? ああ!! 勝てない! 勝てないぞ!!! 3連敗したから一旦休憩や!
 ちょっと上達方法でも調べてみよう。なになに「相手の動きをよく見て癖を読んで、読み合いに勝てばいける」、「パーセント帯を意識」「崖の読み合いは頑張ろう」、「着地はしっかり」、「単調な動きをしない」、「まずはセットプレイから」……なるほどなるほど。
 よし勝てる気がしてきた! いざ実践だ!! ……勝てないっ! というかなんか思ったようにできない。相手はずっと動いててこっちもずっと動いててそんなかでどこをどうすればいいのか頭がまわらない! というかセットプレイをしようしても思った以上に刺さってくれないし、相手もセットプレイしてこようとするからもうお互い押し合いの無茶苦茶になるし、わけわからん! パーセント帯はもちろん意識してるけど意識したから何をすればいいのかわからないし、癖とかいうやつがどこにあるのかさっぱりわからん!! ……あ、でもなんかこの人には勝てそう。あ、また勝てた。あれ、今日はなんだか勝てるようになってきたぞ。よしよし! お~いい数字に来たなあ。あ~そろそろVIPだドキドキしてきた。よし今日はおしまい。明日頑張ろう。おやすみ。

 スマブラって難しいなあって思う。ほんと。僕は毎日こんな感じで、ビビって逃げての繰り返し。論理的に考えたくても解答が一切わからない、適用方法がわからないばかりで、色々やった挙げ句、結局適当な結果に満足することも非常に多かった。
 でもそれだけでは行けないと思って、色々と一生懸命考えて、それでとりあえずまとめるに至ったのが今回の記事になる。
 今回のブログは相当に難産だった。前回のブログの少なからぬヒットもあり、あるいは書ききれなかった部分が多数あったことを思って、僕としては近況報告まで含めてまた次のブログを書きたいというモチベーションは割とずっとあった。ところが、VIPより先の世界というのはあまりにも深淵で奥深く、また何もかもが茫漠としているようで何かをまとめるという段階にはなかなか至れなかった。
 今回のブログがなんとか書き出しに至れたのは、解説記事としてではなくメモ書きとして筆を進めたからという感じだろうか。あれから自分が多くの人から学んできたことや考えてきたことをどういう機会かに一度はまとめておきたいという気持ちがずっとあったのだが、それは解説するような内容ではなく、あくまで自分の考えとして保存するだけのものであるから、解説記事として書くことにはどうしても抵抗があり、そのフォーマットではいくら経っても筆が進まなかった。実際今回はボツ原稿の量が尋常ではなく、具体的には41000文字の完成品に対して、ボツ原稿が14000文字あった。合計で55000文字近く書いたことになる。本当にどう書けばいいのか最後まで上手くまとめきれなかった。
 けれどなんとか完成させられた。そこには達成感もあるし安心感もある。やっと僕は夏休みの宿題を残したようなメンタルから逃れられるのかな……みたいな。
 しかし、そういう大変な苦労が伴ったにもかかわらず、今回の内容は前回のブログほどとのヒットはどう考えても見込めないだろう。それどころかどこまで人の目に触れるかも非常に怪しい。内容自体が非常に抽象的な面が多い上に思想的な部分が大半のため、多分前回のわかりやすい結果と比べれば非常に対象読者が絞られた状況になっている可能性が高いからだ。せっかく書いたのに、そういう意味では非常に虚しい努力だったかもしれない、少し凹む。
 だが、それでもこうして書いたのは、自分としては自分がなにをどう考えたか残しておくことになにかの価値があるはずだと信じているからだ。仮に僕がこれを機に結局スマブラを諦めるとしても、こうして考えたことを書き下しておけば何かは残る。もし僕がこれから成長して結果を残せればそれだけで勝ちになるかもしれないし、そうでなくても誰かしら価値を感じてくれる人がいるかも知れない。とにかく相違したことすべて含めて、書き始めなければ始まらないのだと思う。だから、苦労して、書いた。うん。意義はあった……はず!!

 それにしてもネットには本当にいろいろな有益な情報が広がっていると常々感じる。今回こうして文章で自分の考える理論的な面をまとめてきたわけではあるが、それはもちろん独学で机の上でウンウン唸って思いついたというわけではなく、いろいろな人に話を聞きながら、考えを教えてもらいながら、それを反芻して構成してきたものに過ぎない。そういう意味では自分は何かをまとめただけという感じもしている。最初に「スマブラ原論を作りたい」と書いたのはそういう意味であって、数学の歴史的大著である「ユークリッド原論」は、ユークリッド1人の発想ではまったくなくて、彼はあくまで、過去の数学的発見を1つの論理体系に載せた上で一冊にまとめ上げたに過ぎない。僕としてもそういうふうに多くの論理を何かでまとめ上げたいと思ったのだ。
 そしてこれは今後も続けていきたいと思っている。こうして書き終えた瞬間から、更に掘り下げる部分というものがたくさんあることがすでに予感として感じられる。ジャストシールドの世界、N展開のさらなる機微と読み合いを仕掛ける水面下の話、キャラ対策の具体的話やその構成方法、人読みのもっと深いところ、大会での考え方……、もっともこれらはまだ僕が学習しきっていないため書くには全く能わないところだが、こうして勉強を続けていくにつれて、いろいろな人から聞いていくにつれてまた書ける日が来ると信じている。そのためにこれからもがんばりたい。
 以上色々書いてきたが、まだスマライフは始まったばかりである。僕はこれから自分で考えて強くなっていくつもりだし、そのための手数は踏めていると信じている。ブログを書くというちょっとした課題意識ですこしの遅れを取ってしまったが、書き終えた今、まとめ上げたことで思考がスッキリし、また先にすすめるのではないかとワクワクしている。さて、どこまで行けるだろうか。
 今回の記事を書くにあたって様々な方のお世話になりましたが、特にディスコードの窓「キャラ対窓」、「研鑽部」の方々には大変お世話になりました。特に最初期からひどい迷走に付き合ってくれたかなたさんとMacchiatoさんには頭が上がりません。また、論理的な面ではionさんとマグさんの持つ情報には大変助けられました。ありがとうございました。
 そしてここまで読んでくれた方ありがとうございます。先は厳しいかもですが一緒にスマブラ楽しみましょう!!! あ、もしよろしければCitranの方フォローしてください。(業者とBot以外)フォロバしますから!!

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おわり

女神. パルテナさま

 ぼくのめいんきゃらのぱるてなさまです。ああうつくしい、うつくしい。

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 パルテナさまは美しくて可愛くて強くて最高のキャラです。みなさんも「新・光神話パルテナの鏡」をやりつつパルテナさまで研鑽を積みましょう。

*1:ユークリッド原論を意識した表現

*2:"O"でなく"F"なのは別の部分で"O"を使うから

*3:そしてある瞬間、あ、自分は「いみわからん」って言う側じゃなくて言われる側だと、気付いたりもするのだがそれは別の話

*4:ジャッジの特性を利用すれば9回ではなく8回にできる

Discord、とにかく使いづらい

 巷ではDiscordとかいう不便すぎるアプリケーションがゲーム関係のSNSとして覇権を握っている。速いとか便利とか運用しやすいとかポジティヴな話が無限に溢れていて、Discord使いにくい派の1人としては非常に肩身の狭い思いをしている。肩身の狭い思いをしているだけでは辛いので、ここにDiscordのどこが使いづらいかをつらつらと書いていきたいと思う。
 書いては行くもののもはやデファクトスタンダードとなったDiscordに抗えるはずもないので僕は普通にDiscordを使っている。使っているがやはりDiscordが嫌いなのでそのうちまともなアプリが流行ってくれないかと日々不満をつのらせている。
 マジで誰かもっとまともなの作ってくれないかなあ。できれば国産がいいなあ。

1. 起動が遅い

 スマフォ版は問題ないがPC版の起動がめちゃくちゃ遅い。具体的にはSkypeが10秒に対してDiscordは1分かかる。マジで。流石におそすぎる。ただ「Discord 起動 遅い」とかでググっても「遅いskypeなんかやめて快適なDiscordに」みたいなサイトしか出てこなくて解決できないばかりか煽られたような気がしてすごく悲しい。

2. 肝心なところが全部英語

 ちょっと中を掘るとすぐ英語になる。すごく面倒くさいしやりづらい。skypeはそんなことまったくないんだけどね

3. 通話の時間が表示されない

 何分通話したか全然わからないので困る

4. 画像投稿時に確認がない

 スマフォ版に於いて画像を投稿する際、確認が表示されず画像をタップした瞬間直で投稿されてしまう。過激な画像や個人情報を含む画像が誤って投稿されたらどうするのか。確認くらい入れて欲しい。
追記:この前ついに起きてしまった。ほんと最悪。クソ。ゴミ。ディスコ●ね。1番先頭の文字を編集しようとしたら間違えてクリップをタッチ、別の場所を触ってキャンセルしようとしたらそこに画像があり誤ってタッチ→確認なしで画像がそのまま送信される→死亡
 ほんとクソUIだと思う。

5. 一部で日本語の変換ができない

 英語しか対応していないせいなのか窓内検索や窓を建てる際の窓名なので日本語の変換ができない。「まど」って打とうとすると、「mあdお」とかになる。仕方ないから他のところに打ってコピペするしかない。普通に不便

6. 画像が見づらい

 画像が原寸で表示されずすごい小さいやつで表示される。原寸で見るにはブラウザを経由しないといけない。かなり不便。

7. 時間が相対表示で分かりづらい

 投稿のログを見るときに日付が「先週月曜日」みたいに書いてあることがある。今日からの相対的な位置で書いてるということなのだがただただ分かりづらい。普通に何月何日と書いて欲しい。これはまぁdiscordに限らずアメリカ系のアプリ全般にあることではあるけど。Twitterとかもそうだし。なんでアメリカ人みんな相対表示大好きなんだ。分かりづらいから勘弁して欲しい。

8. 「Enterで送信」を変更できない

 例えばSkypeは「Enter」と「Shift+Enter」のどちらかにそれぞれ改行と送信を割り当てることができる。Enterに送信を割り当てていると、間違ってEnterを推してしまい修正途中だった文章を誤って送信してしまうことが起こり得るため、自分は殆どのアプリでShift+EnterやCtrl+Enterなどで送信をすることにしているのだがDiscordはこの設定ができずEnterで送信しかない。そのため、誤送信のリスクが大きく、非常に危うい。せめて設定できればいいのだがそのようなオプションを追加する気はないようだ。

9. パスワード設定において確認がない

 パスワードを設定する際"*"の可視化もなければ入力確認もない。そのためパスワードの設定ミスが非常に発生しやすい構造になっている。流石に入力確認、二重入力の構造は入れるべきであろうがおそらくその事に気づいていない。

10. これらの問題が全員に発生するわけではない

 以上に加えてこれらの問題が全員に発生するわけではないせいで、問題の解決や共有ができない。挙句の果てに「どんなクソ雑魚PC使ってるの」とか煽られたりする。勘弁してくれ。

 他にもあった気がするけどとりあえず今思い出したことだけ書いた。skypeのほうが好きなのでskype流行って欲しい。