スマブラについての反省(付録:勝負で勝つ方法についての覚え書き)
スマブラというゲームを1年くらい真面目にやってて、挫折、のようなものをして、やめた。前回の記事でそのことについては色々書いたので特に新しく書くことはないけど、その記事を書いてから1週間くらいの間での反応や、色々な人の話を聞く中でいくつか感じたものや学んだもの、スマブラをやってきた上での反省点みたいなのが見えてきたのでメモ書き程度にここに書いておこうと思う。
(覚え書きに行きたい人はこちらへ→勝負で勝つ方法についての覚え書き)
1つは、僕の病的な成果意識の話から。僕はスマブラを楽しめなかった、そのことは事実だった。それは勝負が好きではなかったということやゲーム性への不満ということでもあったが、もっと根本にあったのは、僕の中にある「やるからには実績を残さないと無意味だ」という病的な強迫観念のせいだったように思う。
一般になにか趣味をやる上での楽しみ方には2種類あるように思う。1つは、なにか実績を目標に成長や成果を楽しむこと、もう1つはそのことをしていること自体が幸せで時間そのものを楽しむこと。普通は両者の複合体であって、あえて分類すれば上記の2つの要素の混ぜ合わせと見ることも出来るという感じであろう。
そして僕には圧倒的に前者しかなかった。勝つことしか、勝つという実績を積み重ねることしか、強くなったという事実を実感することしか、本当に全く楽しめていなかったのだ。ゲームをしている時間を、ゲームの試合内容をそういったものを全然楽しめていなかったのだ。仲のいい知り合いや友人の方と通話しながらのスマブラはたしかに非常に魅力的で楽しかったのだが、それだって多分、通話しながらやる内容がスマブラである必要が僕には多分なかった。テトリスでもマリオカートでもゴッドフィールドでも、あるいはただ話しているだけだったとしても、僕は楽しめていたのではないかと思う。そういう意味で僕はスマブラというゲームの面白さを本当に勝つことにしか見いだせていなかった。ただ単に、本当に強くなってチヤホヤされたいというモチベーション「しか」なかったのだ。本当は楽しさというのはもっと複合的なものだろう。強くなるのも楽しいし、それ以上に勝負をしている時間が、相手の動きが、スマブラというゲームそのものが、楽しいはずである。だからこそ、プロになれないと知っていても、どうやっても勝てない相手がいるとわかっていても、ただやっていることが楽しいから続くのである。楽しい時間というかけがえのない経験が何よりもまず得られるのである。僕はその部分が完全にお留守だった。病的なまでに結果のことしか、成長しないとという強迫観念があり続け、そして、ゲームの過程を分析してただ機械的に勝つ方法にばかり注力してしまった。これは大きな失敗、前提としての誤りだったと思う。
そういうわけでこの反省から言いたいことは「自分は本当に過程を楽しめているのか」という問いかけの重要さである。はっきり言ってどんなことでも、まず最初に楽しめていないのならマジで向いていないと思う。結局の所、趣味は多くの場合娯楽でしか無い。何かの成果を求めるという方向性はそれが達成できなかっただけで破綻してしまうし、そうでなくても成果が出てない段階でのモチベーションがあまりにも厳しくなる。終わったときに「楽しかった」という最も大事な記憶さえ残ろないとしたらそれは悲惨なことだろう。加えて何よりも、過程が楽しめていることが上達に最も必要な条件であると思う。勝負で言えば、勝つための創意工夫と駆け引き、相手と共有する勝負の時間、知識や練習の実践とその反響、そういったものを、創作であれば作品を良くするための工夫や着想、アイディアの興奮と自己陶酔を、追求であれば何かを知る勉強するという過程そのものを、意識して、あるいは無意識でも、楽しんでいるからこそ、それらを改善して次に繋がるのである。そしてそういう人が強く、上手く、賢くなるのである。もともと楽しんでいる人が勝ちへのこだわりを獲得して方向性を転換することは成長に必要なプロセスかもしれないが、楽しめてない人が勝ちへのこだわりを獲得してもさらに沼にハマるだけだろう。
だからこそ、まずは結果ではなく過程自体も楽しめているかを確認することは非常に重要だと思う。(個人的にはこれは殊に勝負の世界では大事だと思った。「勝負の世界」では結果も、他に比べると時代や参加者といったものの依存したやや相対的なものになるからだ。)
ただ普通は、過程が楽しめていないことをそんなに真面目にやろうなどとは思わないのではないかと思う。だから多くの場合そんなに心配することはないだろう。ただ何かの偶然でそういう沼にはまっていることがあるかもしれないので、一旦問いかけてみることは大事に思う。これが最もわかりやすい、「チヤホヤされたいだけか、向いてるかどうか」の試金石になると言える*1。漫画家になりたい、声優になりたい、というようなときに、それは本当の欲求なのか、そういう事を考えないといけないのである。
というわけで"just for fan"、「楽しいから、やる」そういうことを忘れないようにすべしという話だった。これは適正診断として非常に強力だと思うので大事にして欲しいと思う。まとめておくと、結果だけ楽しめるのは誰でもそうであって、過程まで楽しめるからモチベになるし先に進める。結果だけ欲しいというのはその結果で自己陶酔したいといった弱い理想である可能性も高く純粋な憧れと微妙にずれているように感じる。そういうのが必ず悪いとは言わないが、過程が楽しめるからこそ、過程の中にある最も大きな成長の可能性を発見できるのであって、過程が楽しめないというのは成長の面でも非常に不利である、なるべく過程を楽しめるものを趣味にするほうがいいのではないだろうか? という感じかな。仕事はそうは行かないけど、少なくとも趣味くらいは、そうあってほしいものだよね?
さてもう1つは、ちょっとした話になるが「期限を定めるべし」という話を。僕自身スマブラからはたくさんのものを学んだけれど、ちょっとだれてしまったことへの後悔はごまかせない、非常に大きいものがある。もう少し意識的に効率的にもっと早く、こういった学びに気づけたのではないかなあ、ととても後悔している面がある。故に、期限を決めるということの重みを改めて感じた。僕なんかは考えるのが大好きなタイプでとにかく時間があれば考え事ばかりしてる、考えようと思えばいくらでも時間を使い続けてしまう癖があるのだが、そういった特性が悪い方向に向かってしまったような気がする。それを反省をして、「期限を決める」という方法でもう少し自己改革したいな、と。 個人的な反省だが、実際このことは他の人にも結構大事な方法論を提供するのではないかと思う。自分で締め切りを決めて、頑張る、ということ。時間という有限の資源は何よりも大切なので、どうかそれを忘れないようにしたい、と。
というわけで以上2点、過ちだと感じたことについてまとめて書いた。僕が今感じていることは、「自分の中からひとりでにほとばしり出ようとするものだけを、生きようとしてみる」こと、なんか書こうとした内容がヘッセの「デミアン」の冒頭に似てたので、あえて引用してみたけど、とにかく何が楽しいのか、何がしたいのか、どこに行きたいのか、そういうことを自己反省しながら、世間体とかリターンとかに惑わされずやりたいことやるのが大事なんじゃないかな、と。その方が結果として先に進めるんじゃないかな、と。
スマブラも改めて、冷静になって、今までの強迫観念を取り払って見たら、勝負の世界として案外楽しめるのかなあ、とも実は思っている。もともと僕がなぜスマブラを勝負の「ゲーム」として楽しめていなかったのか考えると、それは多分僕が最初、スマブラをフィギュアコンプとかクリアゲッター全開放とかそういう方向での楽しみ方をするゲームとして、言うなれば追求型の楽しみ方で、捉えていたからだと思う(だから初めてスマブラSPをやったときコンプ要素の絶望的な削減にひどくがっかりした。当時のブログに対しての気持ちは今も変わっていない。)。VIP到達もVIPを開放するという、クリアゲッターの延長で捉えていた部分がかなり大きくて、とにかく作業と自己鍛錬で記録を伸ばすという発想から外に出ることが、コンプリートのような結果ではなく対戦のような過程を楽しむという方向性にシフトすることが、難しかったのだと思う。だから、そういう元あったコンプリート的思考を捉え直して、純粋な対戦ゲームとして捉えたらまた違うのかな、と。またいつか、機会があればやってみたいと思ってるわけです。
最近はなにかに追われるように毎日読書しています。読書は読書で楽しくて、色々頭の中がざわついたりウズウズしてくるので、その衝動をどこかで開放して、なにかに挑戦したいですね。
以上! より良い今日を、より良い明日目指して!!
(追記:ついでに今まで作ったヘッダーを他に置く場所無いのでここ置いておきます。色々作ったなあ笑 個人的にはどれも割とお気に入りです。)
追記1:ヘッダーについての備忘録
これ以上スマブラ記事を書くことが多分無いと思うので保存庫としていくつか。まずはヘッダーの作り方についての覚え書きを。
なんとなくヘッダー作るときに考えてること
— SBG|Citran🍊 (@CitranX) 2020年2月11日
・キャラは動的なポーズにする(躍動感があるような動きの途中を切り取る)
・対称的にしない(証明写真のように中央にするのではなく左右どちらかに寄せる)
・オブジェクトを2個作る(横長なのでキャラともう1つ何かを配置する)
オブジェクトを2個配置する時はどちらがメインかをわかりやすくするように大きさに差をつける。
— SBG|Citran🍊 (@CitranX) 2020年2月11日
パルテナと月、フシギソウとトレーナーなど。
写真撮る段階でヘッダーになったときのこと考えながら撮るのマジで無理なのでたくさん撮って後で選ぶ。
— SBG|Citran🍊 (@CitranX) 2020年2月11日
文字の色はオブジェクトの同系色を意識して浮かないようにする。
フォントは使う文字に合わせて選ぶ。
追記2:勝負で勝つ方法についての覚え書き
もう一つ、強くなる方法についての覚え書きも置いておきます。自分用のメモだったので有益かは知りません。この記事の草稿みたいなものでもあります。
勝負を頑張っていたちょっとした慣性みたいなものがあって、なにか書きたくなったので、忘れないうちに書いておく。反省メモ。正しいかは知らない。
スマブラが強くなるための手順等について。
目標設定
まずどういうことがやりたいのか考えておく、乱闘エンジョイなのか、タイマンガチなのかその程度のこと。誰もが無意識にやっているが一度意識すると良い。
- 別に具体的に決める必要はない。最初は漠然とプレイしていればいい
- 憧れとかを持つと続きやすい。こういうのに憧れる、というビジョンを持つこと。目標は大会結果や数字より、憧れのほうがいい。
- 細かい小目標を定める。できれば期限を付けてメリハリを持ってやること。
操作精度の向上
まず最初はこれ、ここからはじまる。これを徹底すること、どんなに面倒でも徹底すること。
- 基本的な動きをすべてミスらないようにする。
- やりたい動きをミスらないようにする。困ったらここに立ち返ること。
- トレモメニューを作り毎日こなすのがいい。トレモメニューは逐次更新すること。
(例)
- 小ジャンプ、急降下、大ジャンプ急降下
- 主要コンボ
- 崖奪いなどのテク
- 先端間合いの管理等々
※コンボ練習はある程度まで精度が上がったらの話だが、ミスった瞬間リセットではなく、ミスったあとのフォローの練習も含めて練習したほうがいい。ミスってリセットではなく、ミスった場合の動きもしっかり検討しておくと逆にしびれるようなダブルアップが見つかるかもしれない。
(例2)パルテナのトレモメニュー
基本
- 小ジャンプ急降下、大ジャンプ急降下
- ジャンプステップ左右(前後向き両方)
- 空後ぶんぶん、空前ぶんぶん
- 空前、空後先端
- 空前、空後最低空
重要操作
- 下投げ空後
欲しい操作
- 崖離し空N
- 崖離し爆炎
- 崖離しテレポート
中級者操作
- 崖奪い空後
- テレキャン着地
上級者操作
- AC空N(or 反転空N)
- 空上落とし空上
勝つ方法の集積
勝負の世界を強いて作業化するなら、それは勝つ方法を集積するという作業だと思われる。それは、「こうしたら勝てた」という成功体験の蓄積と言い換えても良い。
勝つ方法を自分だけ知っている状態は勝ちに近く、相手も知っているとイーブン、自分だけ知らないと不利という感じ。勝つ方法はなるべく具体的に集積する。成功体験から得られた勝つ方法が通じなくなったら更に新しい成功体験を探す、その繰り返し。そうしているうちに蓄積するということ。とはいえそこまで意識的ではないけれどメカニズムはそういうことだろう。
スマブラに於いての勝つ方法とは、キャラ対策やゲーム理解、強いムーブの理解と言えるが根本的には、読み合いのポイントを抑えることかも知れないと思っている。
※そもそも勝負事に於いて勝つためにいちばん重要なことは、情報戦を先に制していることのように思う。勝てる情報の集積、というのは情報線で勝利できることと言い換えても良い。情報線を制した上での無条件のわからん殺しこそ、スマブラに限らない1番よくある勝負事での勝ち筋であって、わからん殺しをされないような知識の蓄積が勝負の土俵に立つ第一歩と言えるだろう。強い人ほどこの情報戦の大切さを早い段階で理解しているように思う。勝負事における情報戦の大切さは語るに語り尽くせない。ポケモンガチ勢は、実際のプレイよりも対戦環境理解のための時間の方が多いというくらいだしそれは他のことでもある程度同じと言えるだろう。
※勝つ方法や知識というのは基本的にはヒエラルキーの構造をしていない、非常に横に広い構造をしているように思う。つまり、Aを学んで次にBを学んでというふうな流れにはなっておらず、とにかく必要なことを、それぞれ手当たりしだいに学んでいくというような方法で良いように思う。教育課程のような、ステップを登るようなイメージはあまりそぐわないように思う。手当たりしだいにやっていく中に、結果としてその中にヒエラルキー構造のようなものがあるかもしれないが基本的にはとにかく使えるものをどんどん増やしていく、というのが標準的な方法だろう。変に順番にこだわらず貪欲に学んでいきたい。
- まず自キャラの強い動きを理解する。強い動きを押し付けて勝つのがスマブラに限らずすべての勝負での基本になる。「こうしたら勝てた」という勝ち方の集積の最も基本であって、これだけで勝てるのが理想であろう。とはいえだんだんとそうもいかなくなるがあくまで基本はここにある。
- どういう状況で誰に通るかを「具体的」に考えること。通し方をある程度工夫して考えること。
- キャラ対策、読み合いの要所を理解してそれについての回答を持つこと。特にスマブラSPの場合キャラ対策が非常に重要なのでこれを考えることに多くの時間が割かれることになる。一見すると無敵にさえ見える動きを丁寧に分解し理解対策することが大事。
- キャラについてではなく「どういう技」に「どうするか」、「具体的」に考えること。
- 盤外戦術というのもある。これも1つの勝つ方法だがあんまりやりすぎるとまずいので注意。ただ勝ちたいならこれの対策を考えておくことも大事だと思われる。煽り、試合前のプレッシャー等々。
- 対戦に慣れていくこと。緊張しないようにすること
- 今の実力以上のことをしようとしないこと(しようとするから緊張する)。あくまで結果を受け入れる姿勢で普段の自分を出すことが大事。
- 負けても落ち込まないこと。勝つ方法の集積でしか無いのだから、新しい勝つ方法を探せばいい。
※自信について
自信には実績や練習量など過去への自信と、才能や憧れなど未来への自信がある。前者は本番で自分支える糧になり、後者は練習で自分を支える糧になる。前者は不足すると本番に弱い人間になってしまい過剰だと高慢ちきな人間になりひねくれてしまうリスクが有る。後者は不足するとそもそも続かないし、過剰だと独りよがりで成長する可能性を損なう。自分の自信についてもコントロール出来ることは重要。
勝つ方法の集め方
試合の中で
- 試合中に反省すること、ここがだめだったなあ、と認識すること。細かい改善を繰り返していくこと。
- 違和感を感じ取るセンスみたいなのが大事なんじゃないかと思う。どこがダメか把握するためには嗅覚が物を言う。そしてそれは自分でわからなければ上級者に聞くのが良い。そして段々と嗅覚が効かない人が増えていく、それが才能の世界なのかもしれない。
- 試合の過程を楽しむこと。結果だけではなく過程まで楽しめないと厳しい。
- 勝ち負け以外の、試合内容への反省や楽しみがないときつい。それが勝負を楽しむこと。
- 試合前にプランを練って答え合わせしていくこと。
- アルゴリズムにこだわりすぎないこと、差し合いにおける行動はあくまでその場の判断を重視すること。解答を出そうとせず勘でよい。解答を学んでそれを用いる、と言う考えは危うくあくまで判断を重視するべき
- 試合で試行錯誤していくこと
動画などで
- 他人の動画を見る
- ダメージの稼ぎ方を学ぶ(自キャラ側を見る)
- 状況判断、相手の動きへの回答を学ぶ(相手キャラ側を見る)
- 自分の動画を見る
- 自分で違和感を探す
- 違和感を他人から感じてもらう
※リプレイを見てもらう際はまず自分で見て違和感を探してから見てもらうのが良い。そうすると議論にもなるし答え合わせにもなるため理解がぐっと深くなる。それをせず見てもらうだけでは損も大きい。
理論と感覚
理論は感覚を補助し、感覚を作るための道具になる
ネイティヴなら語学に文法がいらないように、ベースとして感覚でできるのなら感覚で良い。感覚でできない人が論理が必要になる。理論の長所は再現性の高さと他人への共有。文法から言語を学ぶように、「感覚を得るための道具」として理論が必要になる。あるレベルまで行くと内容が複雑化しすぎて理論化できなくなる、そうなると感覚という自身の明かりだけで先に進まないといけなくなる。その段になると、才能という概念がもっとも大きく現れてくる。感覚は才能。
感覚というのは「違和感に気づく能力」。ここがおかしい、ここがまちがっているとわかる能力。それが出来るから先に進める。特に創作はそう。それがあるから作品がどんどん良くなっていく。絵では構図やモチーフへの違和感、文章では語法の違和感、文の流れへの違和感、音楽では気持ちよくなさ、音の狂いに来づけるような、完成品を知っているから、完成した状態を直感的に理解できるからこそ来る違和感、それに来づけるのが感覚、才能だと思う。
とはいえ、理論で習得できる面も大きく、理論を、基礎を徹底すればあるレベルまでは到達できるように思う。才能に関わらずとにかく基礎を徹底することが大事。基礎さえできれば上位1%にさえ行けるのではないかと思う。
勝負への精神論
僕は強い人の強さとか在り方みたいなものへのあこがれはあったけど、別にそれだけだった。チヤホヤされたいだけ。
- 強さには憧れるけど勝つことに対する興味がない
- 勝ちたいと思っても勝負そのものを楽しめていない、結果しか楽しめていない。
結論:
まずベースとして勝負を楽しむこと。勝負の何が面白いかを理解すること。強者になることではなく勝負というものを、ゲームというものを理解すること(ゲームを楽しんで、ベースとして自分の頭で考えて戦っているから、勝負の中で自然と反省し、そして強くなる)
結果の成長ではなく過程の成長までも目が向くから強くなるし楽しい。
ゲームを極めること
ゲームを極めるのは勝ち方を蓄積し実践する方法を学ぶこと。それにはたくさんの試行錯誤が必要でそれは例えば絵を描くことを学ぶことと似ている。ゲームがうまくなりたいのか絵がうまくなりたいのか、そこにあるのはそういう選択肢だと知った上でゲームを選べるのか、問い直してもいいかもしれない。
スマブラ各論
距離というファクターを理解すること。この距離で、こうする、という自分の動きの考えと、キャラ対策の考えの両方を用意しておくこと。距離という着眼点があるとキャラの動きの構成もキャラ対策の構成も進みやすい。N展開は距離で決まる。
結論
僕のスマブラへの向き合い方として最適なのは、別にプロになりたいわけではなかったのだから、ただちょっと気持ちよくなりたかっただけなのだから、そういう目標に向けて楽しむようにする。メイト1800は基本的には誰にも馬鹿にされないし、それでいてどこでもそれなりに楽しめるゾーンだと思ってたからそれが目標だったんだと、今にして思えば感じる。
いずれにせよ、そういう目標の前に、まずは楽しめるようになること。試合を楽しめるようになること。勝ち負けでなく過程まで見られるようになることが大事。そうした上で自キャラ理解(ターン継続の研究ととN展開での距離の場合分け)とキャラ対策(距離の場合分け、反撃の理解、弱点など)を詰めていって理解していけば多分自ずと強くなったのではないかと思う。
自分にとって重要なこと
勝負の世界での勝利で得られるものは極論で言えば人からの評価だけだ。いや、創作もそうだし追求なんて自己満足だけだったりするわけだから同じようなものなのだが、個人的に重要な違いはたぶん何も残せないということ。強さは資源ではない、なぜなら持ち越せないからだ。勝ち続けることでしか証明できず、現役を退くとその価値は失われていく。僕は現役引退する人を見ることがとにかく辛かった。こんなに頑張った人が、こんなに強い人が、ただの人みたいに扱われるなんて、ということが耐えられなかった。強さは持ち越せればいいのに、なにか残せればいいのにと願った。そしてそこには僕の努力した場合の未来を見た。努力してその先に何が……と。
ただやはり、勝負ってのは終わった後なにも残らないものなんだよ。結果は残る、結果から得られる名誉も残るかもしれない、お金ももらえるかもしれない、でもそれだけだ。後に何か残してるわけではない、あくまで結果でしかない。目の前の相手への自分の有意差を示すだけであって、それが絶対的なものかどうかもわからない。だからこそ、それでも勝負をする理由はそれが楽しいからだ。ただ楽しい。勝負をすることは楽しい。勝つのは何よりも楽しい、負けても楽しい。勝つための創意工夫と駆け引き、そして知識を増やす成長とその実感、対戦相手との空間を、勝ちのリターン、そういったものが何よりも楽しい。その時間が、何よりも重要な「結果」になる。だからこそ勝負を続けていく。
その上でリターンというおまけが付く、名誉や強者としての人生というおまけが付く。ただそれは多分本質ではないだろう。少なくとも僕にとっては。
*1:チヤホヤされたいだけのモチベで大成してる人もいる、とかい反論は知らん。知らん。そんなものは知らん。多分それで大成している人は、過程を楽しめることをしてたら、もっと大成できたんじゃないかと思うよ。